本番はこれから

□第二話
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生徒会計の佐藤司との情事から3週間。
司は今では完全にあたしと美紀の忠実な下僕となっていた。
前のような過剰なスキンシップは無くなったが、いつもヒョコっと現れては金魚の糞の様に後ろを付いて廻るようになった。
まぁ、美紀は召使のように買い物をさせたり、荷物持ちさせたりと良いように使っているが、正直あたしにはうざい。
唯でさえ体育祭前の忙しさのせいでこいつと一緒にいる時間が増えるというのに。

そして、もう一つもっと面倒(佐藤司もかなり面倒だが)な事が起こった。
あたしは、学級委員長もさせられ、生徒会、部活で目が回るような忙しさだというのに、紅組の応援団長までさせられることとなったのだ。

「・・・しょうがないよ、ただでさえ普通の人なら倒れる内容でもきーちゃんは、平気そうに余裕で熟してるから。みんなきーちゃんに期待してるんだよ。」
ある日曜日の夜美紀があたしの家に遊びに来てくれた。
「もうっ!!そんな期待されても困るよ!あたしはロボットじゃないんだから!!」
部屋に置いてあったクッションを壁に力任せで投げつけた。
「・・・無理しないでね。できるだけわたしもフォローするから!!」
美紀は本当に心配そうな顔であたしを見てきた。
あたしも、美紀に心配させるわけにはいかない。
「うん、ありがと美紀。美紀もチアのキャプテンに選ばれたんだから忙しいでしょ?あたしも何とか適当に頑張るよ」
美紀に安心させるために笑顔で言った。
「・・・そう。でも遠慮なくいってね!もし、わたしとかダック司にできることがあればするから!」
ダック司はダックスフンドのように可愛らしいから美紀が付けたらしい。
「ありがとう。そうする」
そして、あたしの死闘の日々が始まったのだ。
あたしはこの時、体育祭の後、道場のみんなと集まることをスッカリと忘れていた
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