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□こども
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「………妹子大好き」
妹子の前でそう呟く太子。
そんな太子を妹子は冷たく見下ろす。
「………馬鹿なこと言わないでください」
「…馬鹿なことなんかじゃないっ!……本気なんだって……」
「…嘘じゃないんなら」
妹子は太子の胸倉を掴みかかり、噛み付くように言い放った。
「尚更最低です」
「妹…」
妹子は太子を突き飛ばした。
「僕に二度と話し掛けないでください」
「そんな! いも」
「五月蝿いっ!!」
妹子の怒号が太子の鼓膜を震わす。
「もう僕に関わるな。」
……太子の中で何かが崩れた。