銀魂〜出動!真選組!!〜

□ギャグパート集Part3
1ページ/8ページ

〜顔がかゆいけど掻けないときってはがゆいよね〜






あのチャット談話から早三日ほどが経った暑い夏の中。


心境に変化があったとしても、それがどうした。と言うように変化のない日常が続く。


と言うより意識をしている分今まで以上に恋歌が避けているだけだ。


「ねーねー。ふくちょー。最近機嫌悪いの?」


不意に尋ねてくる李麻。


「何故にそう思う。」


「ふくちょー機嫌悪いと土方さんに近づかないから。」


「元より私があやつに近づいたことがあったか?」


川原を眺めて聞き返す。


「大事なことは目を見て言おうか。やっぱり変だよ!いつもより。」


「普段も変みたいに言うでないわ!!金はやるから人参買って来い!一人にさせろ!!」


野口を受け取った訝しげな顔で李麻はそのまま大江戸スーパーへと足を向けた。
























大江戸スーパーの野菜売り場。人参の詰め袋を手にレジへ向かう。


雑誌を読んでいるレジ員の前に詰め袋をドンと置く。


「何してんのさ。マダオ。そんな接客の仕方してたらコレだよコレ。」


右手を自分の首元まで持って行きヒュッとスライドさせる。


「だ、誰かと思えば毒舌ウサギ小僧!!」


ページをめくる手を止め、李麻に向き直った。


「あ、僕知ってるよ!その写真のおねーちゃん。」


表紙に写っている水着姿の女性の写真を指差して言う。


「イケマセン!思春期真っ盛りの子供が見ちゃイケマセン!!」


オカン口調で雑誌をサッと奥にしまった。


「その子供の前で読んでんのは誰だよ!!つーか持ってっから!真選組で回し読みしてっから!」


慣れた手つきでレジ打ちをする長谷川につっかかった。


「え?なんだ持ってたのか〜!可愛いよなぁこの子。『小田原(おだわら) こまち』

トークも可愛いし。・・・遠くからでいい。一目だけ見れれば」


ピルルルルルル。李麻の制服ポケットから聞こえたコール音。ふたを開けて通話ボタンを押した。


「もしもし〜?ああ、小田原サン?ああ、明日ね明日!うん・・・うん・・・・」


「嘘・・・・・知り合い?」


レジ袋に入れた人参をボトリと落とした。













夕飯時。隊士達が箸を進めていたときだった。不意にスパンと障子が放たれる。


「あれ?どーしたンスか?御月隊長。」


「頭が高いんだよォ!僕の事は将軍様とお呼び!!」


何処から持ってきたのか知れないムチを取り出して言った。


「どーしたんでィ。将軍様。」


感情のない言葉で総悟が尋ねてきた。


「へっへーん聞いてよ!こないだ攘夷浪士から助けたのが小田原こまちって子でさぁ・・・・

お礼に今度の日曜ビーチde合コンしませんか?ってよー。」


ウオオオオオオオオオ・・・


その言葉を聞いた瞬間、食堂のボルテージが一気に上がった。


「将軍様アアアァァァ!!俺、一生アンタについていきますううぅぅ」


「地の果てまでついて行きますううぅぅ!!」


てんやわんやの騒動の中で消極的メンバーズがしょぼしょぼしていた。


「だって。どーしますかィ?」


「俺にはお妙さんと言う人が・・・・」


「そーいうと思って局長の分は抜いてあるよ。」


この後近藤はしょぼしょぼと自室に戻って行ったのであった。


「私に訊くな。どの道行く行かぬ以前にの行けぬのだからな。」


「ああ、向こうの頭数はふくちょーの分抜くって言ってたから行けるよ!

あと水着はBIKINI以外の着用は認めないよって言っといてって言われたー。」


「オイ!何でそこだけ英語っぽくしたんじゃ!!普通にビキニと言えば良かろうが!!


それを聞いた隊士達はボソボソと噂を始める。


「副長がBIKINI・・・だと?」

「性格はアレだけど美人だしー、ボンキュッボンだしー・・・」

「まさか副長の生肌を拝める日が来るとは・・・・」


『ビーチde合コンバンザーい!!』


そう言いかけた時だった。


「着んぞ。」


ドヨッ。隊士達の囁きは一瞬で凍った。





 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ