銀魂〜出動!真選組!!〜

□ギャグパート集Part2
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〜生きてたら相容れない奴の一人や二人は絶対いる。人間だもの〜





警察庁署長の部屋。近藤を先頭に土方、恋歌、総悟、李麻が中年の男の前に直立不動で立っていた。


その男の要望は、白髪の頭に、サングラス、机に足をどっかりと置いて座っていた。


プレートに『松平 片栗虎(まつだいら かたくりこ)』と書かれてある。


「今回、オジさんがテメェ等を呼んだのは他でもねぇ。将軍の困りごとだ。」


その言葉で自然と全員の表情が強張る。緊張した空気が、部屋中を包み込んだ。


攘夷浪士の襲来か?もしくは、政策に関することか?アレこれ考えを張り巡らせていた。


「分かった。上様のためなら俺達の命、アンタに預ける。」


何時になく真剣な眼差しの近藤。松平の口がとうとう沈黙を破った。


「将軍のペットのカブト虫の『瑠璃丸』が逃げたらしくてよォ、探しちゃくれねぇか?」


その瞬間、全員がずっこけた。漫画みたいに、見事に。













「やっぱダメだよこんどーさん。今カブト虫ブームだから情報が多過ぎるよぉ〜。」


「そうか・・・・総悟や恋歌を初めとした隊士も持ってきてはくれるがなぁ・・・・」


「やっぱりガキがそんな代物持っているわけなかったんでさァ。

ある一人にいたってはフンコロガシで戦うと来た。」


「やはり、刀を抜く素振りさえすればと幼子に頼ったのが甘かった。」


「総悟!?恋歌!?じゃあこのカブト虫達って子供から盗ったの!?脅したの!?」


「人聞きが悪いですぜ近藤さん。こいつ等は俺とのカブト相撲に負けて

バツでなんでも一つ言うこと聞くって奴で手に入れたモンでさァ。」


「そうですぞ。これ等は幼子が『コレはあげるから命だけは』との事で譲ってくれた・・・」


「それを人は『脅した』って言うのー!!」


命令直後すぐに、捜索に当たっているもののここニ、三日と姿を現さない。


黄金の身体を持つ、価値にすれば国宝級の代物『瑠璃丸』が。


隊士達が持ってくるのは普通のカブト虫ばかりだ。難航する捜査。誰もがため息をつく。


そんな中で縁側から慌しい足音が迫ってきた。


「局長!!市民の目撃情報を洗ったところ『森で金色のカブト虫を見た』という情報が!!」


途切れ途切れの息を整えながら、山崎が言い放つ。その瞬間全員の目に光が宿った。


「よし!!お前等、やるべきことはただ一つだ!!」





「「「「「「カアァブト狩りじゃあああああああ!!!」」」」」























「・・・・・て事で森に来たよ。」


「誰に話しかけてんでィ。」


近藤が声高らかに熱演している隅で、そんなやり取りが行われていた。


「局長。カブト虫の事なら私めにお任せを。友達いなかったから夏カブト狩りしかしてないので。」


一通り話を聞き終わったあと、挙手した恋歌が言った。


「おお!!そうか!頼もしいな!!じゃあ皆、ここから恋歌の話をよく聞くんだぞ!!」


はーい。遠足に来た児童のような返事が返ってきた。


「良いか。カブト虫というのは強弱い奴はとことん苛めるという典型的ないじめっ子じゃ。

そこに付け込め!とりあえず弱そうな、どこにでもいそうなダミーで・・・・・」


ふと木を見ると、カブト虫・・・のきぐるみを来た総悟が木によじ上っていた。


ドカッ!!すかさず木を思い切り蹴って落とす。


「何すんでィ。アンタが言った事じゃねぇですかィ。」


強打した後頭部をたさすりながら言う。


「いや言うとらん!!自らカブト虫になりきれなぞ一言も言うとらん!!

ダミー作るんだよ!!いるわけねーだろンなでけーカブト虫が!いたらサイン欲しいわ!!」


大きくため息をついて、隊士達の方に向き直った。


「あと、有効なのは・・・・ベタではあるがカブト虫の好物を木に塗りたぐって・・・・・」


「副長、早速副長と御月隊長が実践しています。」


「そうか、皆も見習ってはよう・・・・・」


言いかけてふとやめた。あの二人が塗りたぐっているものを見て。


「・・・・・・・・・・何をやっておる?」


「マヨ塗ってるんだよ。」


「僕は人参ジュースを・・・」


「それお前等が好きなだけだろ!!それとも何じゃ!?お前等カブト虫にでもなったんか!?

全然気付かなかったよゴメン!!つーか実践の内に入るかこんなもん!!」


「そうだぞトシ、李麻。そんなんじゃあいつ等寄って来んぞ。

樹液に匹敵するハチミツを塗らないと!」


慣れないツッコミから開放されたと、近藤の方を振り返った。全身が強張った。


「・・・・・・局長?」
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