銀魂〜出動!真選組!!〜
□派府意右無篇
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(ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・・)
突然の土方と李麻(邪魔者)の来訪でテーブルの上に氷が転がる。
「どなたを指名なさいますか?今日は新しい子も入ってますよ。」
李麻に視線を合わせてボーイが話しかけていた。
(オイコラ!何人の存在提示しておるのじゃ!やめろォ!李麻!指名するでないぞォ!!)
「あ、じゃーその子でいーや♪」
(李麻オオオオオオオォォォォ!!)
「レンちゃん。ご指名入ったからそっちのテーブルに・・・」
「嫌です。そっちの黒髪の人、生理的に受け付けないんで。」
ボーイが言い終わる前に一太刀で断った。
「何でだアァ!?何で初対面でそこまで嫌われなきゃならねぇんだよ!!」
「えー…だって…だって、だってなんだもん。」
気力もないような目でジトッと睨みつける。
「ナニソレ!?近づいてハート丸焦げにしてやろうか!?」
「自惚れも大概にしておけ。そなたでは誰のハートも丸焦げには出来ぬ。」
「やってみなきゃ分かんねぇだろうが。」
「やらずとも分かる。そなたは絶対やっても出来ぬ子じゃ。」
「あまり見知らぬ客にガタガタ抜かすんじゃねぇぞ。それでも商売人かテメーはよ。」
「人の商売方法指摘する前にまず己の食生活から見直せ。毎食マヨ畑じゃねぇか。」
しまった!!頭に血が上っていたせいで素で話していた!!
今頃気付いた。
「何で・・・知ってんだ?」
「あれー?土方さん今頃違和感感じてる?遅すぎでしょ。ね、『ふくちょー』」
(バレてるうぅ!!…何でじゃ!?こやつ、何でこんな時ばっか勘が働いておるのじゃ!?)
咄嗟に周囲を見回せば、正体を今の今まで知らなかった客たちがこっちを見ている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テヘッ☆ばれちった。」
所変わって真選組屯所の局長室。近藤の正面に恋歌は正座させられていた。
「明日の一定の練習のためとはいえ無断でスナックすまいるにいくとは……」
ダン!!畳の上を思いっきり叩いて深くがっくりうなだれた近藤。
しかし、次の瞬間、深く息をして見上げてこう言った。
「何で俺も連れて行ってくれなかったんだアアアアァァァァァアアァァァァ!!!」
「連れてくワケねぇだろーがアアァァァアァァァァァァアアアアア!!!」
決戦前の夜、この二つの声は月夜に響いた。