ハイスクールD×D 正義の味方

□第二話
1ページ/2ページ

ここは何処だろうか?
この地に降り立った私の最初の感想だ。 周囲は木々に囲まれていて何処かの森だと言うことしかわ からなかった。

とりあえず私は自分の状態を調べることにした。

「トレース・オン (解析開始)」

肉体年齢、27歳。

身体能力、英霊時と同等

神器、反応あり、龍発現可能。

魔術回路、127本正常稼動。ただし神器発現時魔術回路27 本に低下。

魔力量、英霊時より増加、ただし神器発現時は英霊時と同 等。

固有結界“無限の剣製゛(アンリミテッド・ブレイド・ワークス )発動可能

全て遠き遠き理想郷(アヴァロン) 正常に稼動中

肉体、完全に受肉

ふむ、何故『全て遠き理想郷』が私にあるのだろうか。あ れはセイバーに返したはずだ。 現に英霊なってからはまったく投影出来なかったはず。

まぁあるのならあるで助かるがね。

後は神器以外はおおむね変わらないようだ。ただし神器の 龍を発現させない場合は私にその龍の魔術回路と魔力量が 上乗せされるらしい。

まだ生まれたばかりで私の魔力量を超えるとは末恐ろしい な…。

魔術回路にしても100本か……。

うん、この子はしっかり育てよう。 間違っても悪龍にはしないようにしなくては。

よし、自分の状態は理解した。 次は現在地の確認だ。

私は木に登り周囲の確認した。 しばらく森が続いていたが拓けた所に城が建っていた。

他にはそれらしい建物は無さそうなので私は城に向かう事 にした。



「そこの人、止まって下さい!!」
城の前に来ると門番ら しき女性に声をかけられた。

別に争うつもりは無かったので言われた通りにすると女性 は質問してきた。

「ここは大神オーディン様の城です!貴方がどのようにこ こまで来たかは知りませんが立ち去って下さい!」

大神オーディンだと!?北欧神話の神ではないか!

と言うことはここはヴァルハラ、詳しくはやはりわからん が北欧地方になるのか。
む?
何か門番らしき女性が慌てだした、念話か何かか? そして女性は私に近づいてきて突然頭を下げた。

「失礼しました!貴方はアインヘリヤル 勇者 でしたか! オーディン様が是非お連れしろと仰られています。 ご同行願えますか?」

アインヘリヤル?確か北欧では勇者のことだったな。 英雄ならわかるが勇者か。 おそらくオーディンの差し金だろう。大神オーディンは未 来を見通すと言われている。私がここに来たことももしか したら知っていたかもしれん。

まぁせっかくの誘いだ、断る理由はないので

「構わん、案内お願いする」

「ではご案内いたします。 中はとても広いのではぐれない様に気をつけて下さい」

「了解した」

歩き出す女性の後を私は歩き出した。

巨大な門をくぐり中に入るとまずその広さに驚かされた。

城にはアインツベルンのでなれていたがここヴァルハラの はそれを遥かに凌駕する。 流石は大神と言ったところだろうか。

そして5分ほど歩くとひときわ大きな扉の前で案内してく れた女性が歩みを止めた。

「こちらになります。 ではお入り下さい。オーディン様がお待ちです。」

「そうか、案内感謝する。」
私は彼女に礼を言い、扉に手をかけた。

ここに大神オーディンがいるのか。さて、どのような人物 なのだろうか。

若干緊張しながら扉を開くと

「ひょひょひょひょ!ほれほれ、待たんか〜。」

「きゃぁぁぁぁぁ!オーディン様ぁぁぁぁぁぁ、お止め下 さいぃぃぃぃ!」

「オーディン様!もうすぐ客人がいらっしゃるのですから お止め「なんじゃ?お主も交ざりたいのかの?」ち、違! 「れ〜い!」き、きゃぁぁぁぁぁ!」

…………………………………………パタン。

うん、きっと見間違えだ。

案内してくれた女性が怪訝そうな顔をしているがそれを気 にする余裕はない。

私は意を決して再び扉を開くと

「ええのぉ〜、ええのぉ〜!やはり若いおなごはええのぉ 〜!」

「い、いやぁぁぁぁぁぁぁ! オーディン様!何処をお触りに!」

「尻じゃが?」

「尻じゃが?ではありません!? ひゃっ!!ま、またさわ、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

……………………………………パタン

どうしたことだろうか……。 受肉したことにより私の目は悪くなってしまったようだ。

ハハハハハ、まさか大神オーディンたる者が女性を追い回 している訳がないだろう?

「あの、いかがなさいました?」

私が考え事をしていると案内してくれた女性が話しかけて きた。

「いやなに、中に女性を追い回す老人がいた様な気がした だけだ。 ははは、そんな訳がないだろうにな。」

私の言葉に女性は頭を抱え「またですか……」と言った。 そして

「すみませんが中に入ってそれを止めて頂けませんか? 私の様な新米ヴァルキリーにはあの方を止められないので ……。」

私の目は狂っていないようだ。 信じがたいがあの好色老人がオーディンらしい。

「はぁ」

私はため息をつき女性に言う。

「了解した。あれを止めれば良いのだろ?」

「お、お願いします! すみません、お客人にこの様なことをお願いしてしまうと は………」 「なに、君に落ち度があったわけではないさ。 それに私は困っている人は放っておけない質でね、君が気 にする必要はない。」

そう言ってから気がついた。

「そう言えば君の名前を聞いていなかったな。 良ければ教えてくれないか? 案内をしてくれた人にいつまでも君では失礼だろ?」

「あ、申し遅れました!わ、私はロスヴァイセと申します !貴方のお名前をお聞きしても?」

「ロスヴァイセか。良い名前だ、君に良く似合っている。
私はエミヤシロウ。エミヤでもシロウでも好きなほうで呼 んでくれて構わない。」

「そ、そんな似合っているだなんて…

で、ではシロウ様と呼ばせてもらいますね。」

「様はやめてくれ。そのような呼ばれ方はなれていないの でね。シロウで構わない。」

私がそう言うとロスヴァイセの雰囲気が変わった。

「い、良いのですか!? わ、私何かで良いんですか?私は新米ですよ! 仕事が無くて門番をさせられていたヴァルキリーなんです よ!?それでも良いんですか?」

な、何だ?呼び捨てで良いと言っただけで何故ここまでま くし立てるような言い方で私に迫る? ロスヴァイセの顔が赤く鼻息が荒いのはなぜだ?

「別に構わんだろ。 しかし名前の呼び捨てを許可したくらいで何故そんなに興 奮している?

私としては呼び捨ての方が呼ばれなれているからそうして 欲しいだけなんだが?」

私がそう言うと先ほどまでの興奮はなりを潜め、今度は背 景にズ〜ンと付きそうなほど落ち込み。

「ふ、ふふふ、そうですよね。 私なんかの勇者様にはなってくれる訳ないですよね?

私は何を期待しているのでしょうか……。」

等々膝をつき泣きそうになってしまった。 流石に少女を泣かせて喜ぶ趣味はない。しかし、理由がわ からないので訳を聞くことにした。

「いったいどういうことだ? 君は何故そこまで喜び落ち込んだ? 訳を話してくれないかね?」

「……ご存知ないのですか? ヴァルキリーに敬称無しに名前を許すことはそのヴァルキ リーの勇者になると言うことになるんです。 ちなみにこれは

プロポーズ 告白と同義ですので、ヴァルキリーにとっ ての憧れなんですよ。」

……………何でさ。

思わず昔の口癖がでてしまったのは仕方がないと思う。 それほどに私は驚かされた。

しかし知らなかったとは言え彼女に期待をさせてしまった のは事実。 何かしらのフォローをいれなければ彼女に悪い。

「知らなかったとは言えすまない。 まだ私は君を良く知らない。 だからロスヴァイセの勇者になることは私にはできない。

なに安心すると良い。君は若いし、何より美しい。

私などよりも良き人に巡り会えるさ。

それとも君は誰でも良いのかね? 違うだろ。 そんなに慌てて自分の伴侶を見つける必要はないさ。 いつとは流石に言えないがいずれロスヴァイセにも相応し い人が見つかる。 何せ君はこんなにも魅力的なのだから。」
そう言って私はロスヴァイセの頭を撫でた。


顔が赤かったのは何故だろう?
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ