とある短編の創作小説U

□目玉焼きの食べ方
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 とあるファミレスにて、打ち止めを連れて朝食を食べに来た時のこと。

 一方通行の食事の仕方に、ふと打ち止めは注目の視線を外せなかった。

打ち止め「…………」

一方通行「……? 何固まってンだ、冷めちまうぞ?」

打ち止め「あなたの目玉焼きの食べ方って、ちょっと不思議だよね。ってミサカはミサカは指摘してみたり」

一方通行「あァン?」

 一方通行が朝食として注文したのは、何の変哲もない目玉焼きと白飯。

 その目玉焼きに関する食べ方なのだが、一方通行は白身の部分を箸に取った後に、黄身の部分へと浸して一緒に食べる方法を取っていた。

 半熟でなければ出来ない方法だが、一方通行は逆に首を傾げている。

一方通行「言っとくけどよォ、これが正しい目玉焼きの食べ方なンだぜ? 古来から変わらねェ日本人の食事法だ」

打ち止め「そうなのッ!? ってミサカはミサカは驚愕の事実を目の当たりにしてみたりッ」

一方通行「俺から言わせてもらえば、わざわざ白身と黄身を別々に食ってるヤツの気が知れねェよ」

 一方通行の言い分は置いておくとして、黄身に白身をつけて食べる方法が正しいという部分は事実である。

 と言っても、食べ方など個人の自由であるため正解など問題視されそうにないが。







打ち止め「……ってことがあったの、ってミサカはミサカは報告してみたり」

インデックス「むむ、あの白い人は正しい知識を持ってるんだね。それが正解なんだよ」

滝壺理后「はじめて知った……」

御坂妹「ふむ、ミサカも初めて知りました。とミサカは肯定します」

 第七学区のとある公園にて、女子会の如く集まった四人の少女。

 話題は今朝の一方通行との食事から知った、正しい目玉焼きの食べ方だった。

インデックス「でも、とうまも近い食べ方をしてるんだよ。白身を黄身につけるんじゃなくて、交互に食べてく感じなんだけどね」

御坂妹「なるほど。先日、お姉さまと食事をご一緒したのですが……確かお姉さまは白身から先に食べていました、とミサカは報告します」

滝壺理后「あ、はまづらと逆だね。はまづらは黄身から先に食べちゃうの」

打ち止め「わぁ、色んな食べ方があるんだね、ってミサカはミサカはニンマリしてみる♪」

 と、ここで御坂妹が“とある心理テスト”を思い出した。

 まだしっかりと目を通していなかったが、ちょうど目玉焼きの食べ方に関する心理テストが、所持している雑誌に掲載されていたはずなのだ。

御坂妹「その内容は、確か……その人の“恋の仕方が分かる”恋愛心理テストですッ、とミサカは声高らかに宣言します!」

インデックス「恋の仕方!!」

打ち止め「ホントッ!?」

滝壺理后「ちょっと気になる……」

 言うが早いが、雑誌のページを手早く捲っていく。

 お目当てのページを探し出したところで、四人は顔を合わせて覗き込んだ。







 目玉焼きの食べ方で分かる、その人の恋の仕方とは……。



 白身から先に食べる人【御坂美琴】は、友達の関係から少しずつ恋人へと進展していく“地道”タイプ!

 黄身から先に食べる人【浜面仕上】は、好きになった人には恐れなく突っ込んで告白できる“直球”タイプ!

 白身と黄身を交互に食べる人【上条当麻】は、恋をしても知らない内に泥沼にはまってしまう“四苦八苦”タイプ!

 白身を黄身につけながら食べる人【一方通行】は、周囲など一切気にせずに恋をすれば一直線な“一方通行”タイプ!



 さて、あなたは何タイプ?
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