俺がお前に!!

□6。
1ページ/1ページ






『いったい、何の用で…』


「俺このゲーム降りるわ」





赤也はわざと、優奈の言葉をさえぎって自分の声を張り上げる。



「1年生で可愛い子見つけたんだよなー。

もうミス立海には興味ねぇんだよ」






真っ赤な嘘。






赤也は1年生の可愛い子なんて知らない。



ただ、このゲームをやめる口実が欲しかっただけだった。



「メリットがなけりゃ、頑張る理由もねーし」


『…そんなことしたらあなたの負けですよ?



「もう俺の負けで良いぜ。

だから、このゲームも終わりってことで。じゃ」




嘘を見抜かれないように、本心を見抜かれないように。



早くこの場から逃げたい。



そう思った赤也は踵を返し、できる限り急いで、すたすたと歩いた。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ