俺がお前に!!
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『いったい、何の用で…』
「俺このゲーム降りるわ」
赤也はわざと、優奈の言葉をさえぎって自分の声を張り上げる。
「1年生で可愛い子見つけたんだよなー。
もうミス立海には興味ねぇんだよ」
真っ赤な嘘。
赤也は1年生の可愛い子なんて知らない。
ただ、このゲームをやめる口実が欲しかっただけだった。
「メリットがなけりゃ、頑張る理由もねーし」
『…そんなことしたらあなたの負けですよ?
』
「もう俺の負けで良いぜ。
だから、このゲームも終わりってことで。じゃ」
嘘を見抜かれないように、本心を見抜かれないように。
早くこの場から逃げたい。
そう思った赤也は踵を返し、できる限り急いで、すたすたと歩いた。