俺がお前に!!
□3。
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何だかんだでよくわからないゲームが始めてしまった二人だった。
しかし、ゲームが自分の生活を変えるなんてことなど考えていない赤也は、いつも通りの朝を迎え、いつものように門をくぐろうとしていた。
「げっ」
明らかに顔を歪める赤也の視線の先にいたのは、言わずもがな水野優奈だ。
『おはようございます』
本を片手に、当たり前というように門の側に立つ優奈。
「さっそく待ち伏せかよ…」
『いつもこんな時間にいらしてるんですか?』
遅刻してしまいますよ、と優奈は小言を交えつつ、ツカツカと赤也の方へ歩み寄る。
そして、
『ほら、急ぎましょう』
赤也の手をきゅ、と握る。
「ちょ、何すっ…」
優奈は、戸惑う赤也の声などには耳もくれず、すたすたとそのまま無言で歩く。
しばらくすると急に立ち止まり振りかえった。
『私を好きになってもらうため、ですが?』
ぞわっ。
普通の男女なら、きゅん、としてもおかしくないのだが、赤也は違ったようで。
「ぉ…お前、キショいっ離せぇー!!」
きゅんどころか、鳥肌ですらたっていた。