桜蘭

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『…うわぁ…桜木みてぇ』




桜蘭高校の敷地内を門の外からみて、少し顔をしかめた人――紫桜 芥梨がぽつりと言葉をこぼす
桜木とは、芥梨がこれまで通っていた学園の事である
こことは遠く離れた全寮制の少し閉鎖的な学園であり、そしてまた少し特殊な生徒が通うお金持ち学園だ

芥梨は、少しばかり校舎を見て何事も無かったかのように歩きだす
理事長室に行き、理事良に挨拶をしなければならないのだ。
遅刻でもしたら申し訳ない

確か、噴水のところに案内してくれる人がいるって聞いたけど、いるかな
というか、噴水ってあれだよな…?

門を入って一本道を歩いたらすぐにある噴水を見る

うん。おっきい



「、えっと…紫桜芥梨さんですか?」

『あぁ、そうですよ。貴方が案内の方でしょうか?』



遠くで見ていたよりも大きい噴水に少しばかり見とれていたら、後ろに気配を感じ、思わず思いっきり振り向くと、男子生徒が一人。

思いっきり振り向いた芥梨に、驚いた様子を見せた男子生徒に申し訳なさを感じる



「あ、俺は西門 祐馬(ニシカド ユウマ)。同じクラスでD組だよ」

『西門祐馬さんですね。私の事は名字でも名前でもあだ名でもなんとでも呼んでください』

「んー、じゃぁ、ここはお友達になりたいから名前で。俺の事も、嫌でなければ名前で呼んでね。あと、何で敬語なのか分からないけど、出来たらやめてくれませんか?」

『…分かった。じゃぁ、祐馬な』

「うん。敬語が無い方がしっくりする。じゃ、改めて芥梨、桜蘭学院にようこそ。これからよろしくな」

『こちらこそ、よろしく』



編入早々に良い奴と知り合えたな。と、内心で安心して理事長室への道を進んだ

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