銀魂夢小説.

□頂戴?
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何なんだこの状況…。
銀時は、こう思わずには居られなかった。

目の前には新八の顔。
何方かが動けば唇が合わさるのでは無いかと思う程近い。

「…ねぇ、銀さん?」
新八は妖艶な薄笑いを浮かべ、自分の下にいる銀時に囁く。

心臓が煩い。
軽くパニックになりつつある感情を抑えるのに必死で頭がついて行かず、如何したら良いのか分からなかった。
周りには、神楽や妙、お登勢は勿論、真選組の近藤、土方、沖田達も居た。

今日は新八の誕生日と言う事で、新八の家で誕生日パーティーをしていた。
初めは少人数でしていたが、知らない間に近藤が加わり、近藤を連れ戻しに来たはずの土方と沖田も、なんやかんやでパーティーに参加する事になったのだ。

そして、初めはワイワイと楽しくやっていた。
が、皆がが新八に大量の酒を呑ませ、状況が一変した。

呑んだ後程なく、新八は酔った。
ここ迄は誰もが予想していたが、ここから先は誰にも予想出来なかっただろう。

酔いが回り始めると、急に銀時に抱き付いたのだ。
周りの人々も其れなりに酔っていたので、其れは笑い飛ばした。

だが、今のこの状況にはただポカンと口を開くだけだった。
新八の色気が、凄い。
いつもの雰囲気とは真逆だった。

「ねぇ、銀さん?今日は僕の誕生日なんですから、今から僕が言う事聞いてくれます?」
声にまで色っぽさを感じる。
銀時は何も言えなかった。
喋るのも駄目な気がしたのだ。
何も出来ずにじっと相手を見つめると、綺麗な黒い瞳に、吸い込まれてしまいそうだった。
すると新八は、スッと相手のベルトに手を掛け、微かに口角を上げ
「ごほーび、頂戴?」
と相手に囁き、ツツ…とチャックを下ろす。
何時の間にか二人きりになっていた部屋には、ケーキより甘い、啼き声が響いた。

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