鼓動(ロー)

□みんな
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「キャプテーーーーーーン!!!!!」


ベポの声が船内に響き渡った。



「どうした!?」


あわてたローがかけてくる。


「名無しさんがキャプテンのベッドで倒れてる!!!」



「なに!?」



なんでだ、俺はあれ以上言わなかったぞ。
まさか、考えすぎて心拍数が上がりやがったのか!?



自室に駆け込むとベッドの上ですやすやと寝ている名無しさんをみてローは安心した。



「どうしたんですか!!?」


「キャプテン!?」



声につられたシャチとペンギンもやってくる。


「ああ、なんでもねえ。ベポ、名無しさんは寝てるだけだ。安心しろ。



「そ、そうなの!!?」


「「なんだ、ベポの早とちりか!」」



「すみません」


落ち込むベポをよそにローはそっと名無しさんに毛布を掛けた。




「お前らにも話とかなきゃなんねえことがある。」



ローは近くの椅子に座ると真剣なまなざしで2人と1匹を見た。






「名無しさんはすぐ倒れるだろ?」



ローの言葉にみんなが首を縦に振って納得する。



「シャイだから…それもあるんだがな・・・・・こいつは重い心臓病なんだ。」



「「「!!!!!」」」



ローの言葉に2人と1匹は言葉を飲み込んだ。




「お前らは…」


ローは次の言葉を渋った。


こいつらも海賊だ。


確かにみんな名無しさんのことを好いてくれてる。

だが、もとはと言えば、俺の独断で載せて様なものだ。

名無しさんは戦うこともできねえ…雑用は何でもしてくれるが……

かといって、まさか自分たちの性欲処理に利用するような女でもねえ。
そんなこと俺が許さねえし、こいつらも名無しさんにそんなことはしたくねえだろ・・・

その前に、倒れちまうか・・・。


足手まといになるような女はこいつらにとっても…




「名無しさんは何があっても俺たちの仲間っすよ!!!」


ペンギンが勢いよく言うと、



「俺にできることなんかありますか!!?」


シャチもそれに続き、



「名無しさんのためなら、がんばる!!」



ベポもそう言い切った。




「おめえら・・・・。」



「キャプテン、今、ろくでもないこと考えてましたよね?」



「ペンギン…」



「名無しさんは俺らの仲間っす。キャプテンが船に乗せるといったその時から、もう仲間になったんですよ。」



「そうそう!!それからすぐ倒れる名無しさんに手は焼いたけど、どんどん仲良くなっていって!!」



「白クマとなら倒れないけどね!!」




ペンギン、シャチ、ベポ、は、ニコニコしながら言った。




「そうか・・・」




ローは改めて、自分の仲間の良さを知った。



こいつら…


そうだ、キャプテンの俺が仲間だといったんだ。

俺が揺らいでどうすんだ。





「一つ、使われてない広い部屋があっただろ!?」



ローはバンッと立ち上がるとそう言い放った。



「あー、確かありましたね。」



「シャチとペンギンはその部屋いってぞうきん掛けしてきてくれ。」



「「???」」


首をかしげながらも二人はぞうきんをとりに向かった。




「どうするの、キャプテン?」



「その部屋にベッドを5つ入れる。」


「???」


「ベポ、シャチ、ペンギン、俺、そして名無しさんのベッドだ。」



「みんなで寝るの!?」



ベポは瞳をキラキラさせながら聞いた。



「ああ。詳しいことは移動してからいう。名無しさんを運べるか?」


「アイアイ、キャプテン!!!」





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