鼓動(ロー)
□嫉妬?
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名無しさんはベポと一番仲が良かった、もちろんのことなのだが。
次に仲が良いのは、おそらくシャチ。
初めて指を握ったのもシャチだったからだろうか。
「シャチ・・・」
「ん?どうした?」
「あ・・・あの、洗濯・・・て、つだわせて。」
「おお!もちろんだ!ありがとな、名無しさん!」
「うん!」
そういって名無しさんはシャチの隣に座り、洗濯物を畳む。
「なれたか?」
「え?」
「この船にのって1週間ぐらいだろ?」
「うん、なれたんだけど、やっぱ慣れてないっていうか・・・・ぇっと・・・」
「名無しさん、何言ってんだ?」
「あ、ごめん!何言いたいんだろ、私・・・。」
「ま、いいや。」
「でもね、シャチ。私、みんな好き。だから・・・・・もっと仲良くなりたいから、この性格なおしたいな・・・・」
「そっか。でも俺はシャイな名無しさんも好きだぞ!」
そういって無邪気に笑いかけるシャチに赤面してしまう名無しさん。
そんな名無しさんに気づいたシャチ。
「でも、もう少し治ってもいいかもな!」
「うん。」
「俺は全面協力するからな!」
「ありがとう!」
そんな話をしながら洗濯物を畳む名無しさんとシャチの手が重なる。
「あ・・・」
「どした?」
「はぁ・・・・はぁ・・・て・・・・が・・・」
シャチと名無しさんの手はふかふかのタオルの上で重なったままだ。
それもそのはず、シャチの手が上になっているのだ。
「て?」
「手が・・・あ・・・シャチの手!」
「あぁあああああ!!!!悪い!!!」
即座に手を退けるシャチ。
「ご、、、ご・・・めんね。」
「こっちこそごめんな。まだ、指一本が限界だったよな。」
「うん・・・私・・・」
泣きそうな顔の名無しさんを見てシャチはどうしていいかわからなくなる。
「シャチ・・・お願いがあるの?」
瞳に涙をうるませて、上目づかいで見られちゃ、なんか変なこと期待しちまうよ!なんてシャチは内心ドキドキしていた。
「手が、握れるようになりたい・・」
「・・・?」
「練習・・・さ・・せて?」
「あぁ!もちろんだ!」
そういってシャチを名無しさんは手を握る練習(?)をはじめた。