鷹の雛(ミホーク)

□一人用?
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「ねえねえ、私の席どこ?」


「・・・・」



「この船さ・・・一人用?」


「そうだな。」



「そうだなって・・・そんなぁあああ!!じゃあ、私の席ーーーー!!」



「ここに座れ。」


そういってミホークは自分の膝の上をたたいた。



「お膝の上ですか!?」


「ああ。」



「無理―――!!!はずかしいよ!そんなの!」


「なら、泳いでついてくるか?」



「鬼ーーーーー!!」



「それが嫌なら、おとなしくここに座っておけ。」




名無しさんはしぶしぶミホークの上に座った。




ただのセクハラおやじじゃん!!

本当につよいの!?

そういや、ミホークが剣振ってるの見たことないし・・・・

もしかして私、だまされてる!?


かといって、この状況じゃ何もできないし・・・・








ふふっ・・・
可愛いやつだな。
何かぶつぶついっている、またつまらぬことでも考えているのだろう。





「あのーーー、私、重くない?」



「いや、」



「本当に?」



「ああ。むしろ軽いな。」




「んーーーー、なんかさ、申し訳ない。」



「?」




「だってこれじゃ、ミホークが私の椅子になってるよ!?」



「別にかまわないが。」



「んーーーーー私が下になる。」




そういうと名無しさんはミホークの膝の上から立ち上がり、手を引いて、ミホークを立ち上がらせた。




「さ、座って!」



「・・・女の上に座る趣味はない。」



「じゃあ、修行だと思って!可愛い弟子のため!?」


「・・・可愛い弟子などではない。」



「ガーーーーーーーン!!!」



「ふふっ・・・仕方ない、バカな弟子のためか・・・」



「・・・・」








ドスッ・・・





「ぅうう・・・」


「どうした?」


「・・・お、、、、重いです。」


「がんばれ、椅子。」



「ぅううう・・・ミホーク、背が高いぶん重いんだ―――・・・しかもその筋肉・・・ぅうう・・・」



「しっかりしろ、椅子。」


「ぐぇえッ・・・ぁぅ・・」








「すわり心地が最悪だ。」


ミホークはそういって、器用に名無しさんを自分の上に座りなおさせた。


「ぁあああ・・・また、そんな・・・」



「これでいい。」


「・・・はーい。」




穏やかな風に吹かれながら、名無しさんはミホーク椅子にすわって海をながれる。







ミホーク椅子、すわり心地いい!!

ってか、こんなに体がしっかりしてて・・・・安心感・・・って何考えてんだ、私!?







柔らかいな。

名無しさんは剣士とは思えないくらい柔らかかった。

余計な脂肪があるわけではないが、筋肉がない。

これが1ベリーか。


まあ、この方が抱き心地がいいんだろうな。






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