報われない愛。

□2話。
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目が覚めた。
ここは…どこだろう。



「んっ…。」



頭が痛い。
起き上がり、周囲を確認する。
嗅いだことのある匂いだ。
インテリアからして、ここは女性の家だろう。



「…身に覚えがない。」



僕はいつここに来たんだ?
スプレンディドとカフェで話していて…。
そう、酔ったんだ。





…で?
どうしてこうなった?



「訳がわからない。」


「起きたの?大丈夫!?」


「えっ?」



目の前に現れたのはナナ。
ますます訳がわからなくなってきた。
渡されたのは水。



「どうしてここに?」


「覚えてないの?」


「…うん。」



我ながら情けない。
ナナが困った顔をする。
申し訳ない。



「酔っちゃったのは覚えてる?」


「うん。」


「その後ね、スプレンディドが連れてきたの。」


「…そういうことか。」



水を飲み干す。
とりあえずおいとましなくては。



「お世話になりました。」


「え、待って。ちゃんと休んで。」


「わっ。」



ナナに押された。
バランスを崩してベッドに戻る。
コップが割れた。



「コップ…!」


「それは私がやるから。フリッピーは休んで。」


「でも…。」


「休まないと怒るから。」



ナナはそう言って、破片を拾って部屋を出て行った。
ナナに触れた所が熱くなる。
なんだ…この気持ち。



「変。」



まだ酔っているんだ。
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