いろいろ。

□軍人さん。
1ページ/1ページ






ブシャッ…
右足のふくらはぎにフリッピーのナイフが深く突き刺さる。
痛みで顔が歪む。
声を上げたらフリッピーが喜んじゃうから我慢。
涙が出てきた。



「いいね、もっと泣けよ。リン、俺を見ろ。」


「んっ…!!」


「あいつには見せない表情。俺にもっと見せろ。」


「痛いの…嫌。」


「ふぅん?」



ずるっ
ナイフが無情に引き抜かれる。
飛びかけていた意識が呼び戻される。
フリッピーに優しく撫でられた。



「じゃあ気持ちよくなりたいか?」


「んぁっ…!?」


「ここ、敏感だな。」


「や…だ!」



フリッピーの指が執拗に私の敏感なところを刺激する。
足の痛みと重なって苦しくなる。



「気持ちいか?」


「んっ…ふっ。」


「泣け。」


「いっ…!?」


「リン、いい顔だ。」



ナイフが心臓を貫いた。
脳天にまで届く痛み。
痛みがだんだんなくなっていく。
代わりに視界が霞んでいく。



「フリ…ピ…。」


「もう涙も出ないか?」


「ホント…は…!」



だめ…もう。
力が抜けていく。
フリッピーを汚す私の血。
渾身の力でフリッピーを引き寄せる。



「す…」


「…なんだよ。」






























死んだか。
リンの頭を撫でる。
まだ温かい。



「…チッ。」



開かなくなった瞼を撫でる。
頬、あご、首筋、肩。
柔らかい。
体温がだんだんさめていく。



「ふざけんな。」



最後に置き土産なんか残しやがって。
なぁ、聞かせろよ。



「もう一度俺に好きって言ってみろ。」



動かなくなったリンに貪るようなキスをした。




軍人さん 終





うーん。
難しいよ。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ