笑顔が見たいから。
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それはある雨の日のことだった。
僕が何気なく暗い路地裏を歩いていた時、
「彼」は現れた。
道端に倒れている男を、小さな少年が見下ろしている…。
この路地裏には自分とその少年しか存在していないようで、しんとした静けさが広がっていた。
その少年は笑っていた。
僕はその膨大な量の殺気や、少年の不敵な笑みを見てただ
少年を手に入れたい
と思った。
「〜っ!!」
突然、少年は音も無しに倒れた。
僕はその光景を見て、思わず口が緩んだ。
…楽しくなってきそうだ。
少年を抱きかかえ、自分の家へと歩く。
この少年は一体何者だろうか。
あの殺気は、常人に出せるようなものではない。
ましてやこの少年は小学生の様な容姿をしている。
こんなにも興奮する出来事はこれが初めてかもしれない。
家に帰る最中、口が緩むのを抑えられなかった。
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