アーマードコア4 一羽の鴉

□ネクスト
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ネクスト
「ネクスト。それは企業が開発した、次世代ACだ」
「次世代AC?」
「そうだ。ネクストの戦闘力は平均的なACを遥かに凌ぐ、旧世代の戦闘機で言えば、F-4ファントムUでF-22ラプターで戦うと一緒のもんだ」
「そんなにもすごいのか、よくあそこまで戦えたな。俺」
アレックスはよくあのブレード付きのネクストの右腕を切ることができたなと思った。
「本当にそうだ。よくACでネクストの腕を切ったものだ。まあいい、話を続けよ。ネクストがこれほどの戦闘力がある理由は二つある。一つは私が開発したAMSだ」
「AMS?」
アレックスが疑問そうに言った
「AMS、正式名称
アレゴリー
AIIegory
マニュピイト
Manipuiate
システム
System
だ。これはネクストの根幹といえる。ネクストの操縦は非常に複雑だ。通常制御しようとすると、息ピッタリな連携する10人のチームが必要だ。そこで、AMSだ。AMSは脳と機械を直接繋ぐシステムだ。それをネクストに使って、パイロットの脳に直結し制御させる。それで制御の問題は解決する。」
「なるほど。だが、そんな無茶苦茶なことを出来る人間は限られているだろう」
アレックスが言うとクルトは頷く。
「そうだ。AMSの接続に耐えられる人間。AMS適性を持つ人間しか出来ない。またAMS適性の数手によって、どの程度ネクストが動かせるのか。また、AMSの接続にどれ程の脳に負担がかかるのかということが決まる。ちなみに、AMS適性が無い人間はネクストのAMSに接続すると、その人間は最悪、死亡。よくっても、廃人になる。」
「つまり、そのAMS適性が高いほどネクストが扱いやすく、脳に負担が少ない。逆に低いと扱にくく、脳にも高い負担がかかるのか」
「その通りだ。AMS適性が高ければ高いほどネクストを扱いやすく、脳にも負担が少なくなる。逆に低ければ低いほど、ネクストを扱いにくく、脳にも負担が大きくなる。それが、AMSだ」
「なるほど。もう一つの理由は?」
「もう一つはコジマ粒子だ。君も聞いたこともあるだろう」
「ああ、確か7年前に発見された新しい粒子で、その粒子は凄まじいエネルギーを持っているんだっけ?」
「その通りだ。ネクストはコジマ粒子を使ったジェネレーターで動いている。これによりPA(プライラル・アーマー)と呼ばれるバリアとQB(クイックブースター)と呼ばれる機動ができ、さらに、OB(オーバードブースト)という移動ができる」
「PAとQBとOB?]
「そうだ。まずはPAだ。PAはネクストの周りにコジマ粒子を散布し、そしてPA整派装置と言う装置で散布したコジマ粒子をコントロールすることにより展開するバリアだ。このPAはMTや普通のACの攻撃は意味がない」
アレックスはあの戦線でグレネード付きネクストに攻撃し、当たる寸前に攻撃したライフルの弾丸がはじかれた現象はPAだったと納得した。
「だが、攻撃を受けすぎるとPA整派装置が不安定になり、PAが消滅する。消滅した後は平均的なACの装甲とさほど変わらん、またPAの再展開も時間がかかる。まっ、大抵は消滅する前に決着が付いているからな」
「確かにな。大体PAについてはわかった。次に説明を頼む」
「では、次はQBだ。ネクストのブースターにはジェネレーターから供給されるコジマ粒子をチャージする機能がある。それを一気にプラズマ化させ放出することにより瞬間的にスピードが一気に上がる。これがQBだ。また、QBを使って急旋回することも出来る。この機動をQT(クイックターン)と呼ぶ」
「だから、あんな機動ができるのか」
「ああ。だが、その上の機動もある。それは二段QBだ。この機動は通常のQBの倍以上のスピードが一気に上がる。だが・・」
「制御が難しい、か」
クルトは頷く。
「ああ。この二段QBをやるには高いAMS適性と技力が必要だ。そのため、二段QBは今だ誰も出来ていない」
「誰も出来ない二段QBか。まあいい、最後の説明を頼む」
「わかった。さいごはOBだ。OBは起動時にPAの一部とジェネレーターからコジマ粒子を回収し、QBと同じ原理でプラズマ化させることで一気に爆発的なスピードが出る。また、QBと違い継続が出来る。だが、使っている間はPAは減少し、最終的にはPAが消滅し、それと同時にOB止まる。」
「PAの一部を使っているから当然か。そういえば、ネクストの火力はどのくらいある」
「そうだな、平均的なACの倍以上はある」
「そうか、つまり、ネクストは機動力、防御力、火力、どれもACとは次元が違うわけか。まさに、F-4ファントムUでF-22ラプターに戦うもんだな」
「ああ。だが、ネクストには欠点が1つある」
「欠点?」
「ネクストの動力コジマ粒子には深刻な汚染を起こす。その汚染は放射能の倍以上だ」
それを聞いたアレックスは少し不安になった。
「じゃ、俺は大丈夫なのか、その汚染とやらに」
アレックスの機体はブレード付きネクストによって、コアが大破している。そのため、コックピット内にコジマ粒子が入って来てもおかしくない。もし、コジマ粒子がコックピット内に入って来ているならアレックスの体は確実に汚染しているだろう。
「それなら大丈夫だ。コックピット内にはコジマ粒子は入って来なかったようだし。救出時に汚染区に君の体を出したが、すぐに特殊車両に乗せたから、汚染はなかったよ。しかし、コアに攻撃を受けて、コジマ粒子がコックピット内に入って来なかったとは、奇跡だよ」
「そうか、俺の悪運はまだ捨てたもんじゃないな」
アレックスは苦笑いしながら言う。
「そうか。やはり、伝説のレイヴンは悪運も強いか」
「気付いていたのか。俺が伝説のレイヴンだと」
「まあな、最初フィオナから名前を聞いてもしやと思って君の機体を調べたらビンゴだったよ」
「これから俺をどうするんだ」
「いや、どうもしない」
「どうしてだ俺はレイヴンだぞ」
レイヴンは所詮傭兵である。レイヴンによっては市民の虐殺の依頼も受ける奴もいる。そのため市民からは嫌われており、レイヴンだと知ると追い出すコロニーもある。
「伝説のレイヴンだからさ。伝説のレイヴンは汚い手を使わないし、無益な殺害もしない。そして、依頼は完璧にこなすと聞いているからな」
クルトの言うとおり、アレックスは汚い手段と無益な殺害は嫌いであるが、依頼は完璧にこなしていた。
「それに、今の君は怪我人だ。そんな状態の人を追い出さないよ、俺は」
「そうか」
「まあ、怪我が治るまで此処にいろ。おっと、もうこんな時間か。すまないがそろそろ帰るよ。妻が待っているからな。では」
クルトはそう言い病室から出っていた。
「これからどうするか考えていくか」
病室に残されたアレックスはこれからどうするのかを考えるのであった。

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