アーマードコア4 一羽の鴉

□マグリブ解放戦線
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「まったく頑張りすぎだあいつは」
エミールは手元の資料を見てそう言った。
エミールが持っている資料はアレックスのデビュー戦から今日に到るまでの3週間の戦果と報酬金である。
アレックスのデビュー戦は成功し、アナトリアに5件の依頼がきた。
アレックスはその5件の依頼すべてやり、そして、すべて完璧な戦果を挙げた。
また、戦闘による機体の損傷もなく、弾薬も必要最低限しか使っていないため、弾薬補給、機体修理代を報酬金からあまり取らなく済んでいる。
そのおかげでアナトリアの経済はエミールの予想以上の勢いで回復していた。
予算が不足して計画が難航していた、自然発電所建築も報酬金のおかげで一気に進み、本格稼働の目途も立った。
「この調子なら電力不足問題ももうじき…う?」
エミールは自分のパソコンにメールが届いていることに気付き、パソコンを素早く操作し、メールの内容を見る。
「マグリブ解放戦線の重要拠点の破壊か…企業もいよいよコントロールが出来なくなったか」
マグリブ解放戦線。
ここ数年で急激に成長した反企業勢力である。
最初の頃は歩兵によるゲリア活動しかしていなかった。
だが、2年前くらいから突然ACやMT戦力を持ち出し、その3ヶ月後にはネクスト戦力までも現れた。
ネクスト戦力は2機。
1機はリンクス、ススが駆るタンク型ネクストアシュートミニア。
もう1隻はリンクス、アマジーグが駆る軽量2脚ネクスト、バルバロイだ。
特にアマジーグはアレックス一緒で低いAMS適性だが高い精神負荷を受け入れることによって、高い戦闘能力を出しており、凄まじい戦果を挙げていた。そのため、アフリカ各地からアマジーグを英雄と呼んでいる。
逆に企業からは砂漠の狼と恐れている。
だが、マグリブ解放戦線がなぜネクスト戦力を持つほどの巨大な反企業戦力に急速に成長したのか?
答えは簡単である。
マグリブ解放戦線のバックに企業がいる。
そもそも、反企業戦力がネクスト戦力を持つ時点でおかしい。
現在、ネクストを生産できるのは各巨大企業のみ。
アナトリアのように巨大企業と協力関係を持っているならネクスト戦力を持つのは不可能じゃない。
しかし、反企業勢力であるマグリブ解放戦線はネクスト戦力を持つのは不可能である。
だが、現にマグリブ解放戦線はネクスト戦力を2機も保有している。
企業しか生産できないネクストを2機もだ。
もはや、マグリブ解放戦線のバックには企業いるしか考えられない。
おそらく、バックにいる企業の目的は2つあるだろう。
一つは自分たちの利益を上げるため。もう一つは他企業の妨害のためだろう。
だが、その企業にとってイレギュラーがおきた。
それが、アマジーグだ。
アマジーグの活躍によってマグリブ解放戦線の幹部が強気になり、バックにいる企業まで攻撃を始めた。
この事態でバックにいる企業はマグリブ解放戦線はもはやコントロールは不可能と判断し、ちょうど、デビューしたアレックスの実力をさらに見るため、こうして依頼を送ってきた。
その企業は…
「オーメルめ、腹黒いのは相変わらずか…」
オーメル・サイエンス・テクノロジー社。
ローゼンタールグループの傘下に入っている企業である。
オーメル社は第3位のコジマ技術力を持っており、また、武器、各ブースタ、OBパーツも極めて優秀である。
だが、その裏では黒い話もいくつかるあり、国家解体戦争を最初に提案したのはオーメル社でる。
マグリブ解放戦線などの反企業勢力を利用し、ライバル企業を妨害し、そして利益を上げている。
ローゼングループを乗っ取ろうとしている。などがある。
「まぁ、判断はあいつに任せるか」
エミールはアレックスに詳細な情報を伝えるべく、依頼内容に書いている、マグリブ解放戦線の重要拠点をについて調べ始めた。
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