猫3匹目ー生まれたてー

□妖精
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「ふーんふふーんふふーん♪」
人間がゴミのように溢れかえった街の中を一人の少年が歩く。
「あだっ」
転んだ。
「あたたたた……」
よいしょ、と立ち上がった彼は前を向いてスキップをしようとして止まる。
「………なぁんだ、できてんじゃん」
上げた足をそのまま交差させ、頭の後ろで手を組む。
「さて、と。城もできたみたいだし、仕事しよっかなぁー」
面倒臭そうに溜め息とともに言葉を吐き出す。
「あー、めんどくさい。つかさ、俺じゃなくても、俺の種族なら誰だってできる仕事じゃん」
ボソッと呟いて道端に目をやると転がっている人間と目が合う。
「…何?」
「…………」
「そんな反抗的な目、しないでくれる?めんどくさいから」
「あ、くま、風情がっ……!!」
「……そんな口、きいちゃっていーわけ?死ぬよ、あんた。あんたみたいな大人を殺しちゃうのも俺の仕事だから」
「っ……!!」
ゆっくりと人間に近づくと上着の内ポケットにしまっていたピッコロを出す。
「酔え」
“音”がなった
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