D−grayman*長編 ―花嫁に呪いを―

□二夜目 平和な朝
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〜黒の教団・食堂にて〜


賑やかな朝の食堂。
今日も平和な一日がここから始まる。

食堂の注文所には艶やかな黒髪を下ろした少女、リリアの姿が。
朝の食堂がここまで無駄に賑やかなのは、朝早く食堂に来るリリアの姿を見ようと団員達が早起きしてくるからである。

『ジェリー、日替り朝食と蕎麦を一つずつ頂戴?』

「分かったわ!ちょっと待っていてね。」

自分と神田の分の朝食をリリアがジェリーに伝えるのは日課の様なものだ。
周りも、神田も何も言わないし、リリアも特に気にしていない。
そう、約2名を除いてーーーーー…

「ユウ〜〜、お前だけズルいさー!」

食堂に悲愴な叫びが響く。
その声の主は炎の様な赤髪をバンダナで結んだ青年。

「あ?何がだ。」

「何がだ。じゃないですよ!」

バン!とテーブルを真っ二つにしかねない程の勢いで叩いたのは銀髪で、額に逆さペンタクルの傷を持つ少年。

そう、リリアが大好き(と、云うよりほぼストーカー)なこの2人。
ラビとアレンを除いて。

「そうさ!ユウだけリリアに面倒見てもらってるなんてーー!!」

ラビもテーブルをバンバン叩いて抗議する。

「俺は餓鬼か!その言い方オカシイだろが!!」

「餓鬼じゃないですか。好き嫌いが激しいし。」

「今なんつったモヤシ。」

「モヤシじゃないです、アレンです。このバ神田!!」

「てめぇ……!!」


この様に、今日もいつも通りの朝で始まる。



……誰が何と言おうとこれがいつも通りなのである!
「騒がしいな、オイ。」とか思っちゃうけどこれがいつも通りなのである!!
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