D−grayman*長編 ―花嫁に呪いを―
□七夜目 十四番目、体現
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目を覚ましバッ!と立ち上がる。
その瞬間、視界が揺らぎふらりと倒れかけた。
「おぉっと」
ぱしっ!と腕を取られて何とか踏ん張りきる。
「大丈夫か?リリア。」
顔を上げると腕を掴んでいる人物が視界に映る。
掴んでいたのは……
『てぃ、き……』
「久しぶりだな。」
少し微笑みリリアの頭を撫でるティキ。
呆然とティキを見つめていると後ろから強い衝撃を受けた。
その衝撃で床に叩き付けられる。
『ぐッッ!!』
「昏姫リリア……お前もアレン・ウォーカーと同じく、教団へ帰す訳にはいきまセン」
『せっ、んねん…伯爵……!?』
先程まで撫でられていた頭を鷲掴み、床に押し付けていたのは千年伯爵だった。