あやし事務所

□終わりよ訪れろ
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「仕事しゃいよ」

ニッコリと笑った社長。その顔を殴りたくなった。そんな蓮はじっと見ていた。
一枚の依頼書を
その依頼書には盗まれてしまったものを取り戻してほしいと書かれていた。
「で、もう一度聞くよ」

蓮の声は冷たかった。
睨み付ける目は鋭く理矢いぬいていた。
「はい」
タラタラと彼女からは汗が大量に流れ落ちていた。視線1つで殺されそうだ。

「何をどうしろて?嫌、一から説明を聞くよ」
「はい。え〜とですね。依頼にあるものがどこにあるかは分かっています。そこに潜入捜査をします。で、その場所とは…」

言いにくそうな理矢は普段の訳が分からない口調から、普通のと言うより丁寧すぎる口調に成り代わっていた。

「その場所とは」

ニッコリと普段は笑わないくせにこんな時だけニッコリと笑っていた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・売春宿」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

沈黙が痛いとはこの事を言うんだろうな〜。何て、現実逃避を考えた。

「で、誰が潜入捜査するって?」
「尾上蓮。あんた」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

沈黙がやはり痛い。先程よりも素晴らしく痛い。痛すぎる。

「れ、「どう言う風に潜入するわけ?」」
理矢が言おうとする前に遮った蓮は怖い。言わなくてはいけない言葉が出てこないほどに。出てこない。出てこない。怖い怖すぎる。
それでも声をあげた

「売られて…」
「消えろ」

死ねでさえなかった。

「蓮」
「性別的に無理だから」
「嫌、そこはわが社の頼れる天才変態科学者の力を使えば」
「天才と科学者の間が気になるんだけど」
「気にしないで」
「何させるつもり」
「・・・・・・・・・あっは、数時間だけ女性になってもらうしゃい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ?」

心底驚いた声をあげた蓮は普段は決して見せない間抜け面だ。思わぬものを見写真に納めたいと思ってしまったが実行されれば殺されるのは目に見えている。

「消えれば?」

また、言われた。

「お願いね」
「嫌だ」
「お願いシャイ!!しみ・・・藤蘭は用事て忙しくてできないんしゃいよ」
「それでも嫌だ」
「お願いシャイ!!本なんでも譲るから!!」
「・・・・・・・・・乗るか」
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