あやし事務所

□零れ堕ちた記憶の欠片
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五人組。
それを追い掛け始めたのは、ある事件の後からだ。その事件は五人組が起こした事件。未だによく全貌が分かってはいないのだが、何らかの力により、人の汚い欲望が抑えられなくされていたのだ。
 その事件の時、一人の少女と対峙したのだが、その少女は戦うまもなく逃げるではないのだが、退散していた。
 そして、その後に一人の少女、幽霊である天那 春陽が話しかけてきたのだ。
 春陽のお願いは云ったって簡単だった。ただ一つ。友達を助けてほしいということだった。
 その友達というのが、五人組のことであり、その事件のでも会った少女のことである。
 彼女が語るには、彼らは仕方なかったのだと。それ以外に方法がなかったらしい。それが何の方法で、本当に仕方ないことなのかは、図書部、この事を知っているやつらにも分からない。
 でも、そうらしい。
 そして、図書部は天那春陽のために、五人組を探すことになったのだ。
 ヒントは、怪しい五人組ということだった。
 そんなヒントともいえないヒントで、探す図書部の前に上がってきた五人組の候補者の中には、図書部の仲間である山岡沙魔敷猫と中平千の名が挙がっていた。
 違うと思っていたそれは、だけれどそうであってしまった。
 五人組には、山岡沙魔敷猫と中平千が混じっていた。
 だが、そんな事はもうどうでもいいのかもしれない。
 それよりも五人組の正体が分かった、先ほどの出来事のほうが大きかった。
 血があたり一杯にぬれている。
 人が三人重傷をおった。
 どちらも五人組のほうだ。
 五人組は、その誰もが図書部の知るものだった。そして、そのうちの三人は生死が分からなくなり、二人はどこかに逃げていた。
 予測だが、もうきっと学校には来ない。
 何が起きたか、おきてしまったのか、どうも理解できなくって頭がぼやけている。
誰も彼も理解することを拒んだ。
ただ一人、蓮だけは真っ直ぐと前を向いていた。





「どうしようか」
響いた声は普段の覇気が全然なかった
「さあ、にゃ」
答える声にも。
「何で、アイツラが」
「どうして」
ポロポロと涙が零れ落ちていた。
「僕は山岡ちゃんと中平ちゃんしか知らなかったけど、君たちは他の人とも知り合いだったのかい」
「同中でした。・・・・・・たまに言い合ったり、からかいあったりしてた」
「そう」
ポロポロと涙が落ちる。
昔の記憶が駆け巡る。
「何で、何で」
それに答える人はいない
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