あやし事務所

□終わりよ訪れろ
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女子の体は何かと面倒臭い。そんな知りたくもないことを知った15歳の冬だった。
今の蓮は完全に女の子でみすぼらしい服を着て売られていた。
そんな滅多なことでは知れない体験が出来ている蓮だが機嫌がいいはずはない。最悪に機嫌が悪かった
宥めすかされ騙されここまでやって来ている。嫌々の、嫌々の、嫌々だがそれでもやるなら最後までやりとおすのは蓮のプライドであり意地だ。
そんなわけでいま体を隅々まで調べられても殴るのを何とか堪え、女物の着物を着せられている。
ふわふわで上等なそれは男子受けがよさそうに飾り立てられている。
蓮は極力前、この宿の主人である男を見ないようにしていた。男の這うような目が気持ち悪かったのもあるし、それ以上に目を会わせたら間違いなく睨み付けてしまうことが分かっていたから。それだけですめばいいが、拳がでないと言い切れそうにはなかった。
だから蓮はしおらしいふりをして顔をしたに向けていた。長い髪は顔を隠してくれるために楽だ。すきまから周りを見回していた。
「そう言うことだ。分かったな」
「はい」
ほとんど聞いてなかったが返事をしていた。一応、記憶はしているので後で必要なときに思い出せば良かった。
「では、ついてこい。部屋に案内するよ」
「はい」
ついていたそこにはたくさんの女がいた。
「今日からお前はここで暮らす。」
「・・・はい」
返事をしようと思って一瞬だけ戸惑ってしまった。そこは寝食を過ごすには向いていなかった。ろくに掃除もしてないであろう汚れように、狭い部屋に何人もの女が押し積められている。満足に寝る場所もないそこで過ごしていれば病気になってしまいそうだ
女になってることも憂鬱なら、こんなところで過ごすのも憂鬱だ。
ため息をついた蓮にさらなる試練が襲う。それは
「あれ?」
この声にある
「蓮君じゃない?」
その声に聞き覚えがあり恐る恐る振り替える蓮は見たくもない存在を見つけた。それは少女だった。蓮と同い年ぐらいの少女。ニコニコとは今は笑っていないが楽しいこと大好きな少女。
「アンタ、何でここに」
その少女は蓮と同じ学校で同学年で同じ部活の少女。名前は山岡沙魔敷猫といた。
「売られちゃった」
バカ。
そう蓮の口から漏れたのも仕方あるまい。
「失礼な。あのね、これには理由があるんだぜ。千ちゃんがヤクザに喧嘩売ってそれの往復を私が受けたって言う」
「バカ」
「酷いな」
「本当のことだな。で、アンタ、これからどうするわけ」
「隙を見て逃げ出すつもり。私は一生処女を貫くつもりだからね」
「あっそ。まあ、俺も逃げ出すつもりだしアンタもついでにだしてやるよ」
「ホント!! ありがと」
ニコニコと擬音語をだす彼女はこのあと蓮を凍らせることになる
「所でどうして売春宿に蓮君が売られて来たの?それより何で女の子姿?」
その笑顔は綺麗だけどでも蓮は凍っている。そう言えば女になっていたのを思い出した。
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