あやし事務所

□怪しい五人組
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「何でですか?」
図書室。そこにいるのは先ほどまでのメンバーではなかった。少しだけ人数が少なくなり四人。
その四人にはある繋がりと言うよりは共通点があった。それは幽霊である春陽が見えることだ。
 春陽。それは少女の幽霊である。葉水学園の制服を着ていることから生前は葉水学園に在籍していたと思われる。彼女はつい最近とある事件の調査をしていた時に出会った。その時の犯人は残念ながら捕まっていない。彼女はその犯人の、そしてその仲間である四人。合わせて五人の知り合いで彼らを助けて欲しいと言うことで彼等にお願いをしていた。友達なのだと彼女は言っていた。
「春陽ちゃんが探しかたなら怪しい五人組を探せば見つかるって言ったからね」
「怪しい五人組ですか」
「そうそう。そんなわけだから3人とも頑張ってね」
「はい…」
「・・・怪しい五人組って具体的にどう怪しいわけ?」
「さあ?それは僕も知らない。怪しいとしか言われなかったから」
 だから、探してきてね。そう続けられた言葉に3人はまだ納得しきれていないようで何かしら考えている。それを苦笑してみることしかできない。彼自信納得しているわけではないのだから。でも、いくら春陽に聞いた所ででてくるのは怪しい五人組だけ。それ以外は何も彼女は言わないのだ。助けてと言葉を漏らしたくせに肝心のことを教えない彼女に苛立つ時もあるがでもそれがどうしてなのか、その心が分からないわけではないから。結局彼は何も言えない。ただこうやって伝えるだけだ。
そして、春陽の願い通り助けてあげたいと思っている。嘘でも何でもない。
 彼の本音

はぁとため息をついた。
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