あやし事務所

□怪しい五人組
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怪しい五人組を探す。これがどうにもこうにも難しかった。怪しい人とこちらが思われながらもききまわってもそうそういい答えは出てこない。何がどう怪しいのかさえも分からないから聞かれても答えることができないのだ。だが、そうかと思えば知っている人は知っている。こちらが困るぐらいの勢いで怪しい五人組の事を教えてくるのだ。それも1グループではなくたくさんのグループを教えてくる。だから今度はどれがそうなのかを考えるのが難しいと言うか判断できない。たくさんの怪しいがあるなかどの怪しいが本当なのか中々分かるものではない。それに怪しいと定義しているもののそれは春陽がそう言っているだけであり、もしかしたらそんなに怪しいわけではないかもしれないのだ。人の価値観は無限大。一人がそうだと言ったところで本当にそうかは分からない。特にこのようなことに関しては。故にたくさんの案?を集めてもさらなる案を彼らは集めなくてはいけないのだ。それはそれは大変な作業になる。
そんなわけで前途多難なその作業。それを少しだけ見てみよう


江渕玲果の場合。

「なあなあ?怪しいグループっておらん」
江渕玲果、葉水学園高等部一年四組図書部。そんな彼女が聞いているのは同じクラスの人達だった。今は美術室にて美術部のクラスメイとに聞いている。
「怪しいグループ?って何がどう怪しいの?」
「さあ?分からん。何でもいいき怪しいの」
「何でもって言われても」
やはり迷うようである。しばらく悩んでいた
「あ!」
「いるの!」
「うん。美術部の人なんだけど、よく五人でいる子達でね。会話をしてるんだと思うんだけど…何かね?独り言に聞こえるんだ。と言うか…独り言?あれで会話できてるのかな?」
首をかしげて聞かれるがそんなこと玲果が知るわけもない。
「声小さいが?」
「いや、そうじゃないんだけど…。それぞれ別の事を話してるような感じ?彼女たち全然性格が似てなくて真逆って感じなんたよね。一人は玲果ちゃんみたいにちょっと騒がしくて、なんだか最近の女の子って感じで、もう一人が真里阿ちゃんみたいに優等生っぽくて、さらにちょっと恥ずかしがり屋であんまり顔をみれない女の子。もう一人が天然さん?子供っぽいようで大人っぽいような子。男の子みたいな子って。全然タイプが違うんだよ。なのに仲良くって会話?をいつもしてるんだよね。あの子達、本当何でなかいいのかな!!それに会話?出来てるのかな?」
「それは怪しい」
「でしょ?」


今度はとある教室
「怪しいグループを知らん?」
「怪しいグループ?しんねぇな」
少し考えたがやはり出てこないみたいだ。それでも考えてはくれている
「わかんねぇな」
「そっか。ごめんね。部活中に」
「大丈夫、大丈夫。まだたいしたことしてねぇしよ。それに今日はどんな活動するか考えてた所だからな。あたいがいなくてもみんながちゃんと決められるかを見れるいいチャンスだぜ」
「そう。良かった。筋肉同好会はどんなことしゆうが?」
「色々だぜ!!強くなり素敵な筋肉をつけるために日々たくさんの事をしてるんだ。声帯だて鍛えたら素晴らしいんだぜ。あ、それから俺らが何時も運動しかしていないって勘違いをしてるやつが大多数だが俺らは勉強もしてるぜ。世界知らずして己を知れず。世界があるから己があり、世界があるから己の未来があるんだからな。週に2回は勉強の日だ」
「へぇ〜。真面目やな」
「当たり前だろ!あ…、そういや、居たかも怪しいやつら
「ええ!ホント!!」
「ああ、俺らが部活どうしてるときとかよく見るんだが、何だか変でよ。ぶつぶついいながら木の影とかに女子が潜んでるんだよ。怪しくねぇか?」
「むっちゃ怪しい」


次の日の一年四組教室
「怪しいグループを知らん?」
「あれ?それ昨日も聞かれたよね?」
「ああ、光。昨日はありがとな。だから、今日はそこの三人。怪しいグループを知らん?」
「怪しいグループ?しんねぇぞ」
「怪しいね。」
「どう怪しいんだ?」
「とにかく何でもいい」
「アバウト…」
はあと苦笑した彼らは一応真剣に考えてくれている
「・・・知らないかな」
「江戸くんが知らないなら、僕も知らない」
「俺も知らないな」
「適当やな」
「仕方ないじゃん。江戸くんが知らない事を僕が知ってるわけないじゃん。あ、光これ美味しいよ」
「ホント!!」
「お、俺もくれよ」
「いや、光。あーん」
「バカか。子供じゃあるまいし。そんなことするな」
「良いじゃん。江戸くんに言われたくないよ〜だ。」
「・・・・・・・・・(間違ったわ。コイツらウチのクラスで一番おかしいグループやん。・・・そういや、最近来てないけど森澤の奴が加わったらコイツらも怪しい五人組やな…」




山本黎の場合

彼女も知り合いから攻めるやり方に決めていた。
「怪しいグループを知らない?」
「知らないけど…。みんなは?」
「知らない」
「てゆうか怪しいってなに?」
「だよね。あ、でも私一人だけ怪しい人知ってるかも」
「え?誰?」
「変態王子」
「「なるほど」」
「ええ?なにそれ」
「ほんとのこと。変態王子が怪しい人じゃないわけないでしょ。ねぇ、黎ちゃん」
「それ、僕に聞いてる?」
「ううん。眼鏡に聞いてるんだよ」
「眼鏡が本体だもんね」
「なにそれぇ!!」
「上段冗談。あ、いるかも怪しいグループ」
「え?」
「なんかの部活の人なんだけど、凄くイケメンな四人組なんだけど…、行動と言うか部活内容が…」
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