short story

□健全男子
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僕だって、健全な男子である。
だから例えば、好きな女の子とエロゲ的展開になったらそりゃ勿論理性なんか簡単に崩壊するだろう。
悲しいが、エロゲ的展開になんかならないけど。
………と思っていた。この瞬間までは。
*
「…………は?」
「いや、だから…その…っ
だから、さっきキサラギと見たTV番組が怖くて…
い、一緒に寝てくれないかって…
な、な何度も言わ、言わせるな…っ!」
今現実に起こった出来事をエロゲ風に言うなら
"男勝りでツンデレな彼女のデレイベント"であろう。
うん、間違いなく。
「いや、僕男だよ?」
「お前しか頼める人居ないんだよ…」
途端に弱々しくなるキド。
キサラギちゃんやマリーには、やはり怖いの苦手なんで一緒に寝て、とは頼みづらいのだろう。
団長のプライドってやつかな。
その点、僕は幼なじみ。もう家族のようなものだから、キドが怖いの苦手なんて知ってるからね。
「…俺だって、セトが居ればお前にこんな事言ったりしねぇよ……」
「…ふぅん」
セト、ねぇ。
何なの?セトが居ないから僕?
だったら、今アジトにセトが居ればセトにこのエロゲ展開が来たって訳?
「………それは気に食わないなぁ」
「え?」
「キド、怖いんでしょ?一緒に寝てあげるよ」
「あ、あぁ。すまんな…ってお前何欺いて…」
ぐいっ
「……僕のベッドで寝ようか。ね?」
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