Loving Lily

□泣いても笑っても
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時はたっていよいよI・Hの季節
さすがにどの学校も都道府県の代表校なだけあって風格が違う

我が海常高校も順調に勝ち駒を進めていた




黄瀬君のいた帝光中学
もちろん噂は聞いておりキセキの世代と呼ばれる彼等がそれぞれバラバラに散り、私達はそのライバル校を押しのけていかなければならない



実際、いくつかの学校同士の試合を目の当たりにして思ったことはあった

例えば黒子君という子が入った誠凛
そして彼の新しい光である火神君
彼等とは一度練習試合で負けたので
私はマネージャーとして色々と情報を仕入れながら研究した


そして今日…




その誠凛と
もう一人のキセキの世代、緑間君を獲得した秀徳高校の試合

結果は誠凛の勝ち
かなり僅差でどっちが勝ってもおかしくない試合




私は生の熱いバスケを見て
久々に心が踊った
黄瀬君の友達は皆すごい













「ねぇ笠松先輩、百合先輩!
帰りにお好み焼きでも食ってかないスか?腹減りません?」



「ま俺はいいけど、百合は?」



『私もいいよ』




何気ない黄瀬君の一言で私達は行きつけの美味しいと有名なお好み焼き屋へ足を運んだ

この時間だとまだ人はいないほうかもしれない





「ふふー♪俺何しよっかなーーねぇ百合先輩どうするっスか?豚たま?あ、カロリーとか気にします?んじゃツナコーンとか「うっせぇよ!!黄瀬!!!」




黄瀬君のマシンガンのような勧めに割って入ってなお頭にチョップをかます幸男
さすが…これは幸男にしかできないかもしれない



「いったぁ〜;;ひどいっス」




『んーーと…じゃあツナコーンと、豚たまと、ポテトもちたま、ベビースタもんじゃでいいかな?』



「はい!」



料理が来るまで黄瀬君の中学の話やらを聞いていて、なぜかその流れで私達の中学の話まで派生していった

中学は…正直あまりいい思い出がないので、出来ればあまり掘り下げてほしくはないのだが





「そう言えば、百合先輩は中学の頃もバスケ部のマネージャーだったんスか?」



『え、』


「……ぁ、まぁそんなとこだよな百合」



幸男は気をつかってくれて誤魔化そうとしてくれてる
確かに今はマネージャーとして部にいる




『中学は、選手だったの』


「へぇーーじゃあ高校でマネージャーになったんスか!でももったいないスね?」



『まぁ、色々あってね』






そうこうしてる内にタネが届き
焼きにかかる
ひっくり返す時幸男がやらかしたので、私が選手交代し二枚目をひっくり返す


何故か黄瀬君に拍手された









んーー美味しい!

久々に食べるなここのお好み焼き






そんな時ガラリと扉が開いて新たな客が入ってくる


「ん?」


「あ!黒子っちーー!」




誠凛の皆様ご一行であった
まさかこんなところで会うとは


落ち着く間もなく
またガラリと扉が開く



「おっちゃーーん!二人あいて…げっ」

「!!」





何てことだろう
先ほど試合で闘った二校のエース達が集結してしまった
誰もが、うわ…みたいなオーラを出す中
空気を読んでるんだか読んでないんだかわからない高尾君が幸男に話しかけてそそくさとテーブルを移動する

私もさすがに居づらくて
彼に着いていこうとすると黄瀬君に行かないでという眼差しをもろ受けた

ごめん、こればかりは私も…







「カオスすぎんだろあのテーブル!!」

「ちょっとちょっとーー♪ワクワクするわねー!!」




確かに…







「お前わざとだろ」


「えぇ?まっさかー♪
てか…」






高尾君にじーっと見られてキョトンとする
確かはじめまして、だったかな



『深山百合です
高尾君だよね?海常高校のマネージャーをやってます、宜しく』



「あぁ!マネージャーさんね!
高尾和成です、てか俺より1つ上っスか?可愛いっスね」



『あの、』



「おい高尾…こいつは俺のいとこな」


「えっ…まじ?なんかすんません;;」






面白い子が多いなぁ





***



「…」


なんなんスかあいつ
さっきから百合先輩にベタベタベタベタ…イラつく




「黄瀬君、眉間にシワがよってますが」


「どうせ変なことでも考えてるのだろう」



「変なことじゃないっス!!」


「(何で俺この席にちゃっかりいるんだよ…)」
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