Last Lovers

□偽りと苦しみ
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シリウスside



校内はすっかりクリスマスムード一色だった。
あたりではダンスパーティーに誰を誘うか、はたまた誰に誘われるかの話で持ち切りだ。
シリウスは休暇は家に戻ってこいと母親からきつく言われている為、この時期は女子に囲まれることも多かったが、断る理由が出来たという意味では結果オーライだと思っていた。
それにもし仮に学校に残ったとしても自分がパートナーにしたいと決めている人物などたった一人だけ。




ジェ「いやぁ、相変わらず君のモテっぷりは凄まじいね。妬けちゃうよ!」



シ「思ってもないこと口にすんなよ、どうせお前はリリーさえいればいいんだろ」



ジェ「君こそシャロンさえいればいいんだろ」



シ「....いちいちムカつく」




リマ「あはは、リリーとシャロンは休暇は家に帰るって言ってたよ?君たちがもし仮にだ、学校に残ったとしても一人でパーティーに参加する羽目になっていたね」



何故か嬉しそうにそう話すリーマスに若干むすっとした。ジェームズが、じゃあ君はパーティーに誘うとしたら誰を選ぶんだい?と聞いて興味があった俺は耳を傾けた。
僕も気になるとピーターまでもがリーマスの返答を待つ。
リーマスは困ったようにお手上げのポーズを取った。




リマ「僕も一人かも」




なんだか馬鹿らしくなって皆で笑っていると、ちょうど視線の先にシャロンが年上らしき男子生徒と二人で会話をしている様子が目に入った。
恐らくパートナーになってくれないかと誘われているのだろう。



シリウスは眉間に皺を寄せ周りにばれないよう舌打ちをした。
シャロンは家に帰るんだよ、お前みたいに暇じゃないんだ
相手にはならないっつーの

断れ...断れ...と念じながら見つめていたら、やはり相手は落胆してシャロンが申し訳なさそうに眉を下げた。
シリウスはぐっと拳を振った。





シャロンもようやく群がる男を片付けてほっとしているのかソファーの端にちょこんと座っていた。
そんな姿さえ可愛いと感じる俺は重症なんだろうなと思う。
その時、彼女と目が合って一瞬ドキッとする。
え....開心術?だとしたら超恥ずっ
いやこの距離で?違うだろまず俺らの年でそんな高度な、いやあいつくらいの成績なら可能...ないないないない


もう一度見るとこちらに近づいてくるではないか。
嘘だろ?!やっばなんて言い訳しy




『シリウス、あの...後でちょっと二人で話したいことあるんだけど、いいかな?』



隣でジェームズらがニヤニヤ笑いを抑えずにこちらを見ている。
いや、今はそんなことどうだっていい
二人で話したいことって




『二階の空き教室にいるから、次の空き時間待ってるね?じゃあ』








....、まじか
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