Last Lovers

□この想いは本物であると
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リリーside




『ねぇリリー』



リ「どうしたの?シャロン」



『嫌いじゃないけど好きでもない。よく逃げられる。これって実際どう思われてる?』




リ「...ん?、ごめんなさいよく、わからないわ」



唐突にそう問いかけてくる親友にさすがのリリーも首を傾げた。
一瞬謎々の類かと考えたが、どうやら話を進めていくと人間関係に悩んでいるようだった。
そしてリリーはある結論に至る。




リ「もしかしてシャロン、あなた好きな人が出来たとか?」




『好きな?まぁ好きっちゃ好きなんだけど...
リ「相手は誰なの!?」




身を乗り出してそう聞き込むリリーをやんわりと席につくように抑えるシャロン。
私としたことが、少し取り乱しちゃったみたい。
でも!この子に好きな人が出来たということの方が何万倍も重要なの。
とりあえずそのお相手とやらの情報を探るべくいくつか的を絞り質問することにした。



リ「寮は?」



『スリザリン』



リ「年は?」




『今一年生』



リ「家柄は?」



『かなりいいよ』



リ「彼を一言で言えば?」



『んーー、優しい子なんだけど、不思議な子かな?』



リ「わかったわ、やめときなさい」



『やめとく?どういうことリリー
私は彼が私のことを実はどう思ってるんだろうってことを聞いてるんだけど』



リ「その必要はないわよ!だってあまりにも...あなたならもっといい人がいるんだから!」



そう熱を込めて伝えるが、もっといい人がいるというところに引っ掛かったのか失礼なと頬をぷくりと膨らませた。



『彼は悪い人ではないよ!いくらスリザリンだからってそういう偏見はよくないよリリー』



リ「うっ…確かにそうかもしれないけど、じゃあ名前は?名前を教えてちょうだい、私の知ってる人かもしれないわ」



『レギュラス・ブラックだよ、シリウスの弟の』



リ「……はい?」



聞き間違いだと思いたい。
しかし今彼女は確実に“レギュラス・ブラック“と言った。
彼と言えば確かに家柄も顔も器量もよしと評判であるが、マグル生まれや混血を毛嫌いしていると専らの噂だ。
ましてあの、認めたくはないがあのシリウスの弟である。
どのみち一癖も二癖もある男に違いないとリリーは以前から思っていた。



『最初は物凄く嫌われてたんだけど、最近では嫌いじゃないよって彼言ってくれたの!私に近付きたいって言ったんだ、やっと仲良くなれそうだなって思ったのに、矢先に逃げられたり…やっぱりまだよくわからなくて』



リ「ちょっと待って、確認させてくれる?」



『ん?』



リ「あなたは彼を友達として好き?それとも恋人にしたい好き?」



『恋人?あっはははリリー面白いー、だって私より2つも年下なのにそれはないよ、どちらかというと可愛い弟みたいな感じかな?』



リ「OK、じゃあその近付きたいって言われたって話は嘘じゃないのよね?本人にそう言われたのね?」



『うん』



そこまで聞いてリリーはふむと顎に指先を当てた。
ひょっとしたら、だが
シャロンがレギュラスを…ではなく、レギュラスの方が彼女にご執心なのではないかと思ったのだ。
そんな素振りも噂さえも聞いたことはないが
まさかとは思うが可能性が0%ではない。
だとすれば彼女は厄介な人物に好かれたと思う。
シャロンが好意を抱いているのだとしたら、まだ考えたかもしれない。
でもリリーには、応援する理由は1つたりともなかった。



リ「結論から言えば、普通だと思われてるか、好きと思われているかどちらかってとこね。」



『本当に?だといいけどなぁ、嫌われてないならいいや』




リ「逃げるって行為は、嫌いな人物から逃げるとは反対に、時に好きだから逃げてしまうってケースもあるわ。ほら、照れちゃって顔を逸らすことあるでしょ?それと同じよ」



『なるほど!リリーさすが』



感心したようにうんうんと頷く彼女を見て、リリーは罰が悪そうに僅かに眉を下げた。
正直に答えてあげることが正解だったのか。はたまた当たり障りなく諭してあげる方がよかったのかわからなかったが、納得してスッキリした表情を浮かべていたので、まぁよしとしよう。



レギュラス・ブラック…
彼は今後注意して見てみる必要がありそうだ




(生半可なことじゃ、この子は渡してやらないんだから、
たぶらかすなんて許さないわ)
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