superjunior(キュミン)
□空も飛べるはず
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「ん・・・」
ソンミンが目を覚ますと、自分の体はキュヒョンの腕に絡み取られ、身動きが取れなくなっていた。
首筋にキュヒョンの寝息がかかる。
体を動かすことなく、視線をベットの脇に置いてある時計に移すと、まだ起きるには早い時間だった。
けれども、完全に目が覚めてしまったソンミンは自分を抱き枕の変わりに寝ているキュヒョンから静かに体を離した。
窓から洩れる朝日に目を細める。
それから、ゆっくり背伸びをして初めて自分の身に何も纏ってないことを知った。
まだベットで寝息を立てているキュヒョンも同じだろう。
ソンミンは少し息を吐き出して、ベットの端に腰をかけた。
「キュヒョン・・・」
呼んでみるが、まだ起きそうにない。
うーん・・・と夢見心地で返事をしてキュヒョンは反対側を向いてしまった。
「お前・・・これ、どうしてくれるんだよ」
眠り続けるキュヒョンに文句を言う。
自分の体に残る、愛情の証。
裸になるのを憚られるほどの、無数の赤い印にソンミンはため息をつきたくなった。
最近、こうしてキュヒョンと体を重ねると、必ずキスマークを残すようになった。
自分のものだと誇示したいのか、消えそうになってはまた残す・・・を繰り返し、
いつついたものかわからなくなってきている。
自分の体がこうだから、ソンミンはしばらく他のメンバーに体を見せることが出来ず、
体調が悪いのかと逆にメンバーに心配されてしまう時もあった。
暑くても脱げないし、気軽にシャワーを浴びることも出来ない。
つけた張本人はそんなのおかまいなしに、暑くなれば素肌になり、どこでもシャワーを浴びて
さっぱりとした顔で出てくる。
不公平だ。
ソンミンはむっとした顔をしてみせる。
けれども、キュヒョンは動じることなく、また印が消えれば違う場所へ次々とつけていく。
一度、キュヒョンにつけてやろうとソンミンが試みたことがあったけれども、
すぐに組み敷かれキュヒョンの肌に届くことすら許されない。
「ずるい」
ため息をついて、まだ眠るキュヒョンの寝顔に言う。
そんな不満も知らずにキュヒョンは眠り続けている。
まだ起きるには早い。
他のメンバーもまだ起きていないだろう。
誰にも見られないように、ソンミンはシャワーを浴びに行った。