superjunior(キュミン)

□YourSong
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最近、歌が歌えない。
歌を忘れてしまったカナリアのようにさえずることが出来なくなった。
歌を忘れたカナリアは、山に捨てられる前に救われて唄えるようになったけれど、
僕は誰か手を差しのべられて、忘れた歌をまた唄えるようになるだろうか。



「最近、元気ないんですか?」



キュヒョンが心配そうに言う。
最近M活で台湾や中国を飛び回っていたキュヒョンがようやく部屋に帰って来た。
韓国にいた頃よりも少し日に焼けて帰って来たキュヒョンはしばらくオフのようで、
部屋にいてずっとゲームをしてる。

「元気・・・なくないよ。」
「そう?」

ゲームをしてる横で僕に気を使ってくれなくても良いよ。
ゲームしてろよ。

ってなんかむかむかきちゃう。
たまにゲームをしようって誘われるけど、そんな気分になれない。
キュヒョンのパソコンみたいに、僕のノートパソコンは高機能じゃないから、すぐ画面が固まっちゃうんだよね。

「ちょっと外行ってくる」
「え?大丈夫?」
「何が?」
「一人で・・・大丈夫?」

そんな心配するなら、ゲーム止めてよね。

って言えない僕は、恨みがましくキュヒョンを見て、平気だよっと少し頬を膨らませて
不機嫌そうな顔を作ってから部屋を出た。
でも、キュヒョンは追いかけてこない。
うん。そういう奴だ。

部屋を出るとリビングにヒョクチェがいた。
珍しい。
いっつも部屋にいないレアキャラなのに。

「あれ、ヒョク、珍しいね」
「えー?」
「だっていっつも部屋にいないじゃん」
「ん〜たまにはゆっくりしようかなって。」

だらだらとテレビの前に座ってリモコンでチャンネルをガチャガチャかえてる。
暇なのかな?
疲れてんのかな?

「今日、外に出た?」

って聞いてみると、ヒョクはダルそうに、

「ん〜。ちょっと出た。ベランダだけど。暑かったよ」

と答えが返って来た。

「そっか。」

よく、僕が外が暑いかどうか知りたいってわかったなぁ・・・って感心してると、 ヒョクが言ってきた。

「ね、ヒョン。外行くんだったらアイス買ってきて」
「・・・・お金、頂戴」
「えー!おごってよーー!!!」

ヒョクがじたばたし出して面倒くさくなったから、わかったよって言って靴を履いた。

「俺、いちごミルク味が良いー!」

って、大きな声が玄関に飛んできた。

「はいはい。いちごミルク味ね・・・」

そんな味、あんのかな?
まぁ、良いや。
暇つぶしには丁度良い。
ヒョクのためにアイスでも買いに行ってこよう。
おつかいに行くみたいで、なんかちょっとワクワクする。

外は暑いのかな。

玄関にあった帽子をかぶって外に出た。
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