superjunior(キュミン)
□キュヒョンとセンと時々・・・僕。
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「いたっ!!!」
キュヒョンの悲痛な叫びが背後から聞こえて僕は振り返った。
手を押さえて痛がるキュヒョンと、体を丸めて怒ってるセンが向き合ってる。
まただよ・・・。
この二人。
いっつもなんだよね・・・。
同じ部屋にいると必ず喧嘩する。
だから思わず、また?って言っちゃう。
キュヒョンよりも先にまずセンを叱る。
でも、センは知らん顔。
かわいいかわいい僕のセン。
どうして・・・キュヒョンと仲良く出来ないんだろう。
「だめだよ?どうして仲良く出来ないの?」
って聞いてもセンはにゃーと鳴くばかり。
そして、キュヒョンはつまらなそうな顔をしてる。
ふん。
いっつもお前だって僕を待たすだろ?
たまに待つ身にもなってみろ、だ。
でも、実際大学の課題が終わらなくてキュヒョンの相手もセンの相手もしてあげれない。
遊んであげたいのは山々だけど、ごめんね、セン。
キュヒョンは・・・というと、もう一度センに足を引っ掻かれて部屋を出て行っちゃった。
センは僕にまた叱られるかと思ってキュヒョンより先に部屋を出て行った。
もう・・・センったら。
僕を困らせないで。
**
ようやく課題が終わってリビングに行くとキュヒョンがいない。
あれ?どっか行ったのかな?
キュヒョンのかわりにセンが寄って来た。
「ごめんね。セン。ちょっとだけしか遊べないんだ」
それでも良いのか、センが僕の前にお気に入りのネズミのおもちゃをくわえて持ってきた。
僕はセンにおやつと水をあげなから、ネズミのおもちゃで遊んであげる。
一生懸命ネズミをやっつけようとするセンがかわいくて仕方がない。
「おいで」
って言うと、センが僕の膝の上に飛び乗って来た。
なぜてやると気持ち良さそうに喉を鳴らす。
僕には絶対爪なんか立てたりしないのに。
他のメンバーにも絶対噛んだりしないのに。
どうしてキュヒョンにだけ引っ掻いたりかみついたりするんだろう。
「センや・・・」
名前を呼ぶと、なぁに?って振り返る。
困ったね、セン。
僕はキュヒョンとセンが仲良くなって欲しいんだけどな。
「あれ?ヒョンどったの?」
部屋から出かける準備をしてヒョクが出て来た。
「センと・・・遊んでた。ね、ヒョク。キュヒョン知らない?」
「キュヒョン?」
ヒョクはちょっと考えて、にやっと笑った。
「買い物・・・じゃない?」
「そうなの?」
「多分・・・。おいで、セン」
ヒョクに呼ばれて、センは飛びついた。
ヒョクに抱かれてごろごろと喉を鳴らすセンを見て僕はため息をついた。
「ヒョクには懐いてるんだね」
「セン?」
「そう。キュヒョンと・・・仲が悪くって。困ってるんだ。どうしてなんだろ?」
「あはは。ヒョンは鈍いなぁ」
「え?」
「いやいや。なんでもない。」
ヒョクに言われてもなんのことやらわからない。
目を閉じて気持ち良さそうに抱かれてるセン。
ヒョクにはセンの気持ちがわかるのかな。
「ヒョンさ。センにもっとヒョンの気持ち伝えた方が良いよ」
「気持ち?」
「そ。もっとキュヒョンと仲良くして欲しいとか、自分がどう思ってるとか・・・。
センだってきっとヒョンの気持ちを聞いたら、キュヒョンと仲良くしてくれるかもよ?」
「そうかなぁ・・・」
「そうだよ。キュヒョンだってセンと仲良くなりたがってると思うし」
「ホント?」
「ホント、ホント。努力家だからさ、あいつ」
ヒョクはそう言うと、ドンヘと買い物に行くと言って出かけていった。
センはまた僕の膝の上に乗って来た。
僕の気持ち・・・かぁ。
「ねぇ、セン」
「にゃ?」
「僕ね。キュヒョンと仲良くして欲しいんだ。
センのこと・・・大事だけど、同じぐらいキュヒョンも僕には大事なんだ。
だから二人がけんかしてるの見ると、とっても悲しくなるんだ」
センは黙って聞いてる。
「最近忙しくてかまってあげれないからセンは寂しいよね。僕もセンと遊べなくて寂しいよ。
キュヒョンもね、同じなんだと思うんだ。僕もキュヒョンと話し出来なかったら寂しいんだ。
だからさ。センの次に、キュヒョンとの時間作っても良いかな? 」
センが僕を見上げる。
言葉をしゃべれたらなんて言うだろう。
キュヒョンより先に遊んでくれたら良いよ?・・・かな。
「大事な大事な僕のセン。わかってくれる?僕にはセンもキュヒョンも必要なんだよ」
センは、にゃーと鳴いてするりと僕の膝から降りて行ってしまった。
振り返ることなく行くセン。
僕はなんだか悪いことを言ったみたいで、心が苦しくなった。
僕が出かける前に結局キュヒョンは帰ってこなかった。
やっぱり、少しいる間に話ししておけばよかったかな。
まさか、出かけるなんて思ってなかったんだよ。
置き手紙をして僕は出かけた。
見送りにセンが出て来てくれない。
僕、間違ったこと・・言ってない。
センが受け入れてくれるまで、何度でも言うよ。
それが僕の役目だもの。