superjunior(キュミン)

□おやすみの唄
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「キュヒョンさん、キュヒョンさん」

もう深夜を回った頃、布団に入って眠っていたはずのソンミニヒョンが改まった口調で声をかけてくる。
俺はゲームの手をちょっと休めて、ヒョンのベットに振り返る。

「ソンミンさん、なんですか?明るいですか?」

煌々と電気をつけてゲームをしていても、文句の一つも言わない出来たヒョン。
布団をかぶって眩しそうにしながら、違いますと答えてくれる。
じゃあ、なんだろ?

「キュヒョンさん。怖い夢を見るので、ちょっと手をつないでくれませんか」
「怖い夢ですか。それは困りましたね」

最近、ヒョンは疲れているのか良く怖い夢を見ると言っていた。
どんな夢かまでは言わないけれども、うなされていることもしばしばで。
ヒョンが布団から手をにゅっと突き出して、俺の手を握るのを待っている。
早く、と手をバタバタさせるので、そっと手を握りしめた。

「どうですか?」
「良いですね。眠れそうです」
「ヒョンが寝つくまで、手を握っていてあげますよ」
「それはありがとうございます」

と、言っても暇なので、空いてる手で傍にあった漫画を取ってヒョンが寝付くまで読むことにしよう。
ゲームはちょっと中断だ。

「キュヒョンさん、キュヒョンさん」

もう少しで本が読み終わりそうだという時に、またヒョンが話しかけてくる。

「なんですか、ソンミンさん」
「まだまだ怖い夢を見るので、唄を歌ってくれませんか」
「良いですよ。俺の唄であなたを夢魔から守ってあげますよ」
「それはありがたいですね」

手を握り、ヒョンが好きだと言っていた唄を歌ってあげる。
それでもヒョンは眩しいのか布団をかぶったまま出てこない。
けれども、俺はヒョンのために歌う。

ヒョンが怖い夢を見ると言うのなら、俺の歌で心を癒してあげよう。
俺の歌声でヒョンに悪い夢を見させる悪魔を撃退してみせよう。

しばらく唄をうたっていると、ヒョンが身動きしなくなった。
もう寝たかな?と思って、手を離そうとすると、

「キュヒョンさん、キュヒョンさん」

と、また話しかけてくる。

「なんですか、ソンミンさん」
「・・・」

今度はなかなか答えない。
つないだ手がなんとなく熱い。

「ソンミンさん、俺にまかせてください。」

そういうと、俺はヒョンの布団に体を滑り込ませた。
背を向けて寝ているヒョンのまくらと首の間に腕を入れ、ぐっと体を近寄せて抱きしめる。

「安心してください。ソンミンさんが眠るまで、こうして温めてあげますよ。」
「キュヒョンさん・・・」
「大丈夫ですよ。もしソンミンさんが怖い夢を見そうになったら、夢魔を俺がふーって吹き飛ばしてあげますよ」
「ありがとう。おかげで気持ち良く眠れそうです。」
「それは良かった。じゃあ、もっと気持ち良く眠れるおまじないをしてあげますよ」

ヒョンの体を俺の方へ向けて、見上げるヒョンへ口付けを落とす。

「もっと、おまじないしてください」
「良いですよ」

もっととせがむヒョンに深く深く口付けをすると、
当然キスだけじゃあ終わらなくなってくるのは仕方がない。
こんなに可愛くせがんでくる、ヒョンが悪い。

「今日は俺が抱きしめて寝てあげますね。
だから、悪い奴なんて寄ってこないです。
安心して眠ってください。」

行為の後でぐったりとしながらも、嬉しそうにヒョンは頷いた。
その幸せそうな顔に俺も嬉しくなる。


ソンミンさん、ソンミンさん。

良い夢見てくださいね。


+END+

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