superjunior(キュミン)

□僕らはリア充です
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「お疲れ様ー」
「はい〜また明日〜」

ラジオの収録が終わって、リョウクと二人宿舎に戻ってきた。
階が違うからエレベータ―の中で別れて、僕は一人11階に入る。
部屋は真っ暗。
ヒョクがいないのはいつものことだけど、キュヒョンは?
今日って・・・居る日じゃなかったかな?
リビングの電灯をつけると、わずかにゲームの音がした。
イェソンヒョンが入隊の準備で宿舎を出て行ってから僕らは別の部屋になった。
もっと早く別部屋でも良かったけど、きっかけもなくって、ずっと一緒の部屋で。
その方が良かった気もするけど、一人部屋も快適だ。
きっとキュヒョンも気兼ねなく夜遅くまでゲームが出来て、もう相部屋になんて住めないって思ってるかもね。

キュヒョンの部屋から薄らと灯りが漏れてる。
リビングの灯りもつけないで、自分の部屋に籠ってたんだな。
また・・・ゲームかな。

僕は話しかけないで部屋に入ろうとしたら帰って来たのがわかったのか、キュヒョンが部屋から顔を出した。
珍しい。
いや・・・今日はラジオ・・・聞いてたのかな。
たまに、キュヒョンは僕らのラジオを聞いてくれてて、なんか面白い話しやゲストで知り合いがいると、どうでした?と
聞いてくることがあった。
今日は・・・きっと。多分・・・あの話をしたからだ。

「ソンミニヒョン」
「あれ、キュヒョン。起きてたの?」
「ラジオ聴いてました」
「そうなんだ」
「はい」

くすっとキュヒョンが笑った。

「言ってくれたんですね。」
「・・・」
「俺が母胎ソロじゃないって」
「う・・・うん。まぁ・・・話を振ったのはリョウクだから。僕はまぁ・・・」
「期待してたんですよ?」
「何を?」
「ソンミニヒョンが、ラジオでキュヒョンは俺とリア充だから母胎ソロなんかじゃないって・・・」
「言うわけ・・・ないだろ、そんなこと」

言えるわけがない。
いくらキュミンだなんだって騒がれても、そんなこと公言なんてできっこない。
それを知っててキュヒョン・・・。
僕の胸の内を察したのか、キュヒョンは意地の悪い顔をした。

「ね。少しは・・・言いたいって思いました?」
「何を?」
「俺たちは・・・」
「思わないよ」
「本当ですか?」
「本当だよ」

キュヒョンから視線を逸らしながら言うと、クスリ・・・と笑う声が聞こえた。

「我慢したんですね」
「我慢じゃない」
「だって、本当は、僕のものだって・・・言いたかったでしょう?」

どこから来るのかわからないその自信に反論しようとした途端、僕の体はキュヒョンについ・・と巣食いとられた。
キュヒョンのつけている香水の匂いが鼻を翳める。
反則だ。
チョ・ギュヒョン。
こんなの・・・反則だよ。

「言いたくなんて・・・ないよ」
「嘘ばっかり」

お仕置きだとばかりに、キュヒョンは僕の唇を吸った。
ねっとりとした口付けに僕は息が苦しくなる。
誰も居ないとはいえ、宿舎のリビングで抱き合ってキスをするなんて・・・迂闊すぎる。
リビングの大きなガラスに僕らの抱き合っている姿が映っていた。
僕は慌ててキュヒョンを突き飛ばすと、唇を手の甲で乱暴に拭った。

「誰かに見られたら・・・どうするの」
「みられたって良いでしょ。だって、事実だもの」
「キュヒョン!」
「それに、俺も母胎ソロじゃなかったって証明出来ますし」
「バカ!」
「だって・・・俺が母胎ソロじゃないって知ってるの・・・ヒョンだけでしょう?だから、他にも知らしめたいんです」
「キュヒョン!」
「あなたの体しか俺の事実を知らないなんて・・・切なすぎると思いませんか?」

そう言うなり、キュヒョンはリビングのソファーに僕を突き飛ばして、有無を言わさずに覆いかぶさった。

「こ・・・こら!」
「スリルがあっていいですよね。こんなことしてる時に、誰か来たらどうしよう。誰かに見られたらどうしよう・・・。
そんなことを思いながらあなたのここを触っていると、すごく興奮してきます」
「この・・・変態!!!」
「ああ、世間に公表出来たら・・・良いですね。」
「全然良くない!」

キュヒョンは僕の腰の上にまたがって、愉しそうに僕を見下ろして言う。
こんな悪魔みたいなやつのどこが・・・母胎ソロだ。
そんなことあるわけない。

僕はあっという間に服を脱がされ、そしてあっという間にキュヒョンのペースに巻き込まれ、ついにリビングで
事を致してしまった。
ヒョクが帰ってきたら・・・、誰かここにきたら・・・・そんな緊張感と快感が交互に押し寄せてきて、
僕はもう何度も悲鳴を上げた。
そんな僕に、

「気持ちいいんですね」

なんて言うキュヒョン。
こんなヤツ、絶対母胎ソロなわけないのに。
ああ、誰か・・・僕にかわって証明して・・・くれないかな。

「いつか、俺たちがリア充だって・・・言えたらいいですね」

ぐったりとしている僕にそう微笑むキュヒョン。
僕は絶対リア充だ・・・なんて思ってないぞ、キュヒョン。
僕の理想は、もっとこうさ・・・・。

「愛してますよ、ソンミニヒョン」

僕の不満そうな表情を察知したのか、キュヒョンがちゅっとキスをしてくる。
もう。
このタイミングで言うなよ。
だから、僕だって、こう言うしかなくなるんだぞ。

「キュヒョン、僕も愛してるよ」

ってさ。

「ソンミニヒョンだけが俺が母胎ソロじゃないってわかってれば・・・それでいいんですよ。」
「ふん・・・そういうことに・・・しておくよ」
「はい。そうしておいてください」

満面の笑みを浮かべてキュヒョンがもう一度僕にキスをする。
ああ、もう、キュヒョン。
君には負けるよ。

僕らはリア充だって・・・認めるよ。
悔しいけどね。


+END+

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