superjunior(キュミン)

□ヒョンとセンと時々・・・俺
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センはごろごろと喉を鳴らしながら、ウニョクヒョンの膝の上にいる。
気持ち良さそうに目を細めるセンに恨みごとの一つでも言いたくなる。

「セン〜セン〜かわいいな〜」

ってウニョクヒョンが言うのをまんざらでもない表情で聞いている。

「キュヒョンさ〜。もっとセンと仲良くなったら?」
「なりたいですけど・・・」

そう。なりたいよ、俺だって。
ソンミニヒョンの飼ってる猫だもん。
仲良くなりたいよ。

「センも、キュヒョンと仲良くならないとソンミニヒョンに嫌われるぞ?」

センの頭をなぜながら言うけど、当のセンは知らん顔。
俺と仲良くならなくったって、嫌われないって知ってるんだ。
そのうち、センはウニョクヒョンの膝の上からするりと抜け出してどこかへ行ってしまった。
ずっといたら責められるとでも思ったのだろうか?

「どうやったら仲良くなれますかね」

ウニョクヒョンに聞くと、呆れた顔をされた。

「そりゃあさぁ。お菓子を買ってあげたり、新しいおもちゃを買ってあげれば喜ぶと思うよ。
でもさ」
「・・・でも?」

ごくり。

他に何か極意があるのか?

「お前がセンを好きにならないと・・・ダメじゃね?」
「・・・好き・・・ですけど・・・」
「ホントか?」
「はい・・・」

嫌いだ。
センなんて本当は嫌いだ。
いっつも俺のところ引っ掻くし、ソンミニヒョンには触らせてもくれない番犬みたいだし。
だけど、センはヒョンの大事な飼いネコだ。
俺に牙をむけるけど、ヒョンには大事なペットなんだ・・・。


「センもさ。きっと仲良くしたがってる。お前の方がもっと心を開かないといつまでたっても
かっちゃかれるぞ?」
「・・・わかってます」
「じゃあ、早速お菓子でも買ってこいよ。ご機嫌取ることから始めたら?」

ウニョクヒョンはそう言うと部屋に戻った。
俺は・・・どうしよう。
ソンミニヒョンの勉強が終わるまでに、センのお菓子でも買いに行こうか。

**


センのおやつとおもちゃを買って帰ってきたらヒョンは部屋にいなかった。
かわりにセンがヒョンのベットの上で丸まって眠っていた。

「おいてけぼりか・・・」

センはピクリとも動かない。
俺の独り言にも耳を貸さないつもりだな?
お前のおやつを買ってきたおかげで、ヒョンとすれ違いになったじゃないか。

テーブルの上にメモ帳が置いてある。

「仕事に行くね。今日はごめんね」

って走り書き。

「あ〜あ」

がっかりだ。
今日は少し二人でゆっくり出来ると思ったのに。

俺は買ってきたおかしをセンに見せた。

「セン・・・お菓子・・・食べるか?」

その言葉に反応して、ちらっと俺の方を見る。
全然欲しくなさそうな顔をしてるのがまたかわいくない。

「セン・・・俺たち・・・仲良くしよう。じゃないと、ソンミニヒョンが悲しむだろう?」

今度は買ってきたおもちゃを見せてみる。
これには少し反応したけれども、まだまだこちらを見ようともしない。
一生懸命センの気を引こうと揺らしてみるけど無反応。

「ソンミニヒョンが好きなのは俺だって同じだよ、セン。
やっぱり好きな人には笑ってて欲しいだろ?俺とお前、仲良くしたらきっとヒョンは
笑ってくれると思うぞ?」

ようやくセンがこちらを見てくれるようになった。
買ってきたのはオーソドックスな猫じゃらし。
センは飛びつきたくてうずうずし出している。

「なぁ、セン。時々で良いから、ヒョンを貸してくれよ。
俺だってさ。ヒョンに甘えたい時だってあるんだよ。時々で・・・良いからさ」

センがにゃーと鳴いた。
仕方ないって顔をして。

時々なら良いよ?

きっと、センが言葉をしゃべれたらそう言うだろうな。
時々じゃ俺は物足りないけど、今はお前にそう言っておくよ。
だって、そうじゃないとお前はまた俺のこと引っ掻くだろ?

センが俺の猫じゃらしに飛びついてくるようになった。
俺のあげたお菓子を食べて、猫じゃらしでひとしきり遊んで、少し距離が縮まった気がする。

しばらくセンと遊んでいるとソンミニヒョンが帰って来た。
俺とセンが遊んでる姿を見て、すっごく喜んでくれた。

「セン!キュヒョンと遊んでたの?えらいぞー。仲良くしてくれてたんだね」

抱きしめられたセンも嬉しそうに喉を鳴らしている。
そんなセンと目と目が合った。

仲良くして良かっただろ?

っていう俺の視線に気付いたのか、センはそれに応えるようににゃーと鳴いた。

「キュヒョン、センにおやつとおもちゃ買ってきてくれたの?ありがとう」

ヒョンが笑った。
その笑顔がかわいくて、俺はヒョンを抱き締める。
それから俺はセンに引っ掻かれることなくヒョンにキスをした。


時々・・・だからね?

ってセンがにゃーおと鳴いた。
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