superjunior(キュミン)

□PumpKin、PumpKin!
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勢いよく飛び出して行ったは良いけど、その店の場所を実は知らなくて・・・・。
飛び出してきちゃったから、帽子もサングラスも何もつけてなくて、モロばれちゃうな。
それでも、まぁプリン買うだけだから良いか。
ばれたらばれた時だ。

と、宿舎を出ると、この暑いさなか出待ちをしてるファンも少なくて、よそ見をしてる隙を狙って
上手く抜け出すことが出来た。
それよりも今はプリンのお店の場所がわからないのが致命的だ。
リョウクは今電話に出れるかな・・・・。

呼び出し音がかなり鳴って、その後留守番電話のアナウンスに切りかわる。
リョウク・・・仕事か?
メンバーのスケジュールを把握してない自分を恨んでも仕方ない。
頼みの綱のリョウクが出ないとなると、ネットで検索・・・。
でも、店の名前がわからない・・・。

ふらふら、ふらふらと宿舎の周りを歩く。
当てずっぽうに歩いても、ちっとも辿りつけない。

こんなことなら、もっとリョウクに詳しく聞いておくんだった・・・。


道行く人に聞こうか、どうしようか・・・・。

そう思って周りを見渡すと、見事なまでに人が歩いていない。
うーん。これは困ったな。

ふらふら、ふらふら・・・また歩く。

すると、おや?あれは・・・・。

携帯電話の店の前で新しい商品の説明をやっている!!
もうそろそろ携帯変えたいと思ってたんだよな・・・。
今の電話も良いんだけど、もう少しパワーが・・・。
いや、それよりタブレットを買った方が良いかなぁ。
ゲームをやるんだったら、容量の多い携帯か、それともタブレットか・・・・。

店員のお兄さんが、どこかのヲタクな若者かと思って詳しく説明してくれる。
そうか、そういう違いがあるのか。
うう。
悩むな・・・・・・。


ハッと気がつけば、店に来てから30分も話しこんでる!!
ヤバ!

プリンの店はまだ見つからない。
そうだ。
店員に聞いてみるか。

「すみません・・・新しく出来たプリンの・・・・」
「ああ、あそこですか?ちょっとここから遠いんですが・・・・」

と、説明してくれた。
聞いてみるもんだ。
ありがとう、店員さん。
今度携帯変える時はここに来ます。

礼をして教えてもらった道のりをひたすら歩く。
それにしても暑い。
こんな昼間にプリン探しなんて拷問だ。
肌が焼ける。
俺はアイドルなのに、なんで汗だくになってプリン探しを・・・・・。

いやいや。
大事なヒョンの機嫌を直すために、いざプリン!!!


ようやく辿りつくと、お店はたくさんの女の子たちでにぎわっている。
こ・・・ここに入れと・・・・。

サングラスもない、帽子もない、マスクもない・・・・。

そんな俺が今ここに入って・・・・・・・・行けるのか?
SJのキュヒョンが一人寂しくプリンを買いに!
数は2個!
ケチ!

なんてブログやツイッターに上がるのか・・・・と思うが、仕方ない。
ヒョンのためだ・・・・。

覚悟を決めて店に入ると、
店員さんが、「いらっしゃいませ〜〜!」と声をかけてくれた。
大勢の女の子たちはがきゃっきゃしながらプリンやケーキを選んでいる。
そんな中に一人入った男の俺は明らかに怪しい人物だと思って敬遠されているのか、目も合わせてくれない。
そうなると、逆に、おれはスーパージュニアのキュヒョンです!と言いたくなる。
でも、言わないけどね。

リョウク絶賛のプリンはどこだ?と探すが、女の子たちでショーケースが見えない。
女の子たちの足の隙間から探そうとちょっと腰をかがめると、明らかに俺を不審者扱いしている女の子たちの
ひそひそ声が聞こえてくる。
はいはい。
待ちますよ。
順番まで待ちますよ。
だからそんなに変質者みたいに言わないでくださいよっと。

ようやく順番が回ってきて、注文しようと思ったら。

本日のプリン、売り切れの文字・・・・・。

「すみません。プリンはもう売り切れてしまって・・・・・」
「そ・・・そうですか・・・・」

この店の一押しはプリンなのか、他のケーキ類は残ってるのにプリンだけが売り切れている。
俺は・・・プリンを買いに来たのに!!
しばし、悩む。
まさか、じゃあ良いですと手ぶらで帰るわけにもいかない。

「すみません・・・あの、南瓜の味の何かありますか?」
「南瓜ですか?」
「はい・・・なんでも良いんですが・・・」

今時期南瓜もないんだろうなぁ。
モンブランみたいなパンプキンケーキがあったら良いんだけど、ショーケースには見当たらない。
パウンドケーキでも良いかなぁ・・・と思っていると、店員さんが、

「アイスならございますよぉ!」

と、教えてくれた。
アイスか・・・。
ケーキよりアイスの方が良いかな・・・・。

「じゃあ、アイスください」
「おいくつですかぁ?」
「えと・・・・12個・・・」
「はぁい!」

と、笑顔で注文を受けてくれるとせかせかとアイスを箱に詰めてくれる。
その笑顔にヒョンを思い出す。
ヒョンがケーキ屋さんで俺が客だったら毎日通うね。
だって、毎日笑顔でいらっしゃいませぇ!とか言われるんだぜ?
あーたまらない・・・・・。

おっと。妄想の世界に旅立ってるうちに包装が終わってお会計になってた。
また一人でニヤニヤして危ない人になってたな・・・・。

「お早めにお持ち帰りくださぁい!」

手渡してくれたアイス入りの箱はひんやり冷たい。
早く帰って冷たいうちに食べてもらわないと!!!!

俺は大急ぎで店を出て宿舎へ走っていった。
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