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□夜蝶に捕らわれて
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※short 出会い(蒼樹視点/琴音視点)を読まれると、より話がスムーズかと…
 読まなくても支障はありません。※
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今日は朝から何かが変だった・・・
いや、むしろ昨夜から妙な胸騒ぎがして眠れなかった。


それをただの思い過ごしか、と気にも留めなかったのは・・・・・気のせいであってほしかったから……………





「蒼樹・・・寝てないの?」
俺の顔を見た琴音が真顔で訪ねてきた。
「んーまぁな」
「…・・何かあった?」
「んーん。ただ・・」
「ただ?」
「・・・何かどうにも落ち着かなくてな」
そう言って自分の胸を押さえる。
胸騒ぎはまだ止まない。
一体どうしたのだろうか…?
「蒼樹…」
琴音が心配そうに俺を見る。
「……悪い、今は無理に笑えそうにない」
「馬鹿。無理に笑ってもキモいから」
そっと胸に当てる俺の手を握る琴音。
ごめんな、心配かけてるよな…
こんな胸騒ぎはいつぶりだろう・・・
あまり良い気分ではない。

「大丈夫だよ、蒼樹。
俺は何があっても蒼樹の味方だし側にいるから…」

…そうだったな。
俺が辛い時お前はいつも側にいてくれる・・・・・・・・・・・・・・あの時だって・・・

「俺を甘やかすなよ、琴音」
「今だけ特別だよ」
「・・何だよ、それ」
琴音のお蔭で少しだけ笑えた。
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