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□夜蝶に捕らわれて
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ふわふわした感覚と頭を撫でられる暖かい感覚に懐かしさを覚えた。
そういや、まだガキだった頃よく頭撫でられてたっけ?
ゆっくりと浮上する意識の中そんなことを考えていた。
スッと目を開けるとそこには・・・
「ッ!?ぅぎゃああぁぁぁ!!」
―バッチーン!!
ドアップの顔が目の前にあり、咄嗟に張り手をしてしまった。
「っぶ!」
見事にヒットし、アイツはソファに倒れこんだ。
「あはは。蒼樹ってば、相変わらず寝起き手が早いね〜」
向かい側から声をかけてきたのは、友人の如月琴音。
美少女にしか見えないほどの容姿だが、れっきとした男の子。
あ、自己紹介遅れました。
俺は篠原蒼樹。
どこにでもいる平凡なピッチピチの男子高生です。
そして、俺が張り手をしたのは・・・
「クスン…蒼樹の愛が痛い…久々に会ったってのに…」
篠原京一郎といって、俺の父親です。
ウザいぐらいに俺を溺愛しているただのバカです。
「あーウザい。
ってか、久々に会っていきなり眠らして拉致するとかって有り得ないんですけど…」
「愛ゆえ「黙れ」…」
俺の一言に顔を覆いソファに泣き崩れている親父。
これでも、篠原グループっていうバカでかい企業のトップでこの学園の理事長もしている。
本来なら頭も容姿もいいのに・・・
俺が絡むとただのバカ。
うん。非常に残念だ。
―コンコン
「理事長、失礼します」