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□夜蝶に捕らわれて
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「とっとととっとりあえず落ち着け!二人とも!!」
俺は汗だくになりながらも二人に声を掛けた。

「「蒼樹は、黙ってて!!!」」
「ひっ!!」



俺は一瞬三途の川を予想したが、橘と広瀬先輩のお蔭で二人は話ができるほどまでに落ち着いてくれた。
あぁ、助かった・・・でも、寿命が30年ぐらい縮んだよ……

「とりあえずさ…篠原、ボタン止めろよ?」
「はっ!」
橘の声に俺は慌ててボタンを留めた。

「さてと。ど〜いうことか説明してくれる?蒼樹くん」
広瀬先輩が隣のベッドに腰を下ろしニコニコして俺を見てる。
橘もその隣で・・・琴音と高宮は俺の前に立ったまま・・・貴文は俺に抱きついたが橘に引き離され、俺の隣にいる。
先生は椅子に座りダルそうにしている。
俺はというと・・・さっきからずっとベッドの上で正座だ。

「あの、」
俺が話そうとしたら保健室のドアが開いた。

ガラガラッ

入ってきたのは神宮先輩。
「あ、神宮先輩…」
「またお前か、篠原。
……てか、何だ?このメンバーは」
神宮先輩はあからさまに嫌そうな顔をした。
それは貴文や高宮も一緒だった。
「うぜぇ・・・委員長様が何の用だよ?」
「あんだけ雄叫び聞こえりゃあ、風紀委員が駆り出されるに決まってんだろ」
うんざりした様子でそう神宮先輩は言った。

あぁ、やはり響きまくってたのね…
さよなら、俺のビューティフルライフよ!

「それより、蒼樹。さっさと話してくれる?」
琴音は苛々を隠そうともせずに俺を睨んだ。
「ハイ……琴音と別れた後、呼び出された場所に行ったんだ。そしたら、きゃぴきゃぴな3人組がいた」
蒼樹の言葉に生徒会メンバーは顔を顰めた。
「で?」
「変なやっかみつけるもんだからズバッと言ってやったら、思いっきり張り手されてさ」
「「本当!?」」
「あぁ、篠原が言うのは本当だ。俺もこの目で見たからな」
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