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□夜蝶に捕らわれて
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「何でもない!!」
琴音が何故か高宮と貴文まで睨んでる。
「「・・・(怪しい)」」
俺は貴文の手を外し、
「琴音、そんな誰構わず威嚇してどうしたんだよ」
「っ・・・馬鹿蒼樹!」
何故か泣きそうな顔をしたかと思えば、ドンッと体当たりしてきて俺の胸に顔をうずめた。
「・・琴音?」
「・・・」
何をそんなに怒ってんだ?・・・・・何をそんなに怯えてる?
「琴音ちゃんは本当に蒼樹くん大好きなんだね〜」
「広瀬先輩?」
「心配するあまり素出ちゃってたけど・・・」
びっくりした〜、と先輩は笑ってた。
そうだよ!発狂する琴音を見られちまったよ!
今更だけどどうしよう!!
「心配しなくても、うちにも似たようなんいるから何となく分かってたよ」
と橘。
ん?似たようなって…?てか、気付いてたんだ。
「橘くん、それど〜いう意味〜?」
「・・何でもない」
「・・・」
やっぱ広瀬先輩もそうなんだ・・・俺もなかなか感が冴えてるぜ。

「・・・ドチビ」
「・・何だよ、高宮」
「お前メガネなきゃ、まぁまぁじゃん。何でわざわざメガネなんてしてんだよ。しかも、瓶底って…」
「あー…俺、メガネLOVEだから?」
「「「・・・(絶対嘘だコイツ)」」」
「あ、信じてないな?本当にメガネ好きだって!」
はいはい、てあしらわれた。
まぁ、半分本気で半分嘘だけど・・・
「それなら、もっと薄いメガネとかもあるんじゃない?」
・・橘くんよ。それは要らぬお節介というものだよ。

そんなことしたら、隠れる部分が減るじゃないか!




「・・・馬鹿蒼樹。心の声漏れてるよ?」
「なぬっ!?しまった・・・」
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