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□夜蝶に捕らわれて
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「それはだな…」
「「それはね、東雲先輩も蒼樹くんの親衛隊だからだよ!」」
東雲先輩の話を遮り、白石先輩たちが言った。
「「え?」」

東雲先輩が俺の親衛隊にって・・・・何で?

「あー、誤解すんなよ?
白石たちが急に親衛隊解散するとか言うわ、篠原の親衛隊作るとか言うわで、勝手に暴走するから万が一の為にってことで」
「「あーなるほど…」」

東雲先輩の言葉に俺と琴音は声を揃えて納得した。
「えー!何で、そこ納得しちゃうわけぇ?」
「しかも、琴音ちゃんもだし…」
そんな俺たちを白石先輩と三井先輩は不満げに見ていた。

「いえ、何となく・・・な?琴音」
「うん」
「まぁまぁ…ってことで、あと1年もないけど宜しくな?」
「こちらこそ、宜しくお願いします。東雲先輩」
そう言って俺と東雲先輩は握手を交わした。
「そんな畏まらなくていいって。
俺、堅苦しいの嫌いだし・・・どうせなら、弥生 でいいよ」
「え!先輩を呼び捨てになんて・・・」
「はは、篠原って律儀なんだな。
でも、せっかくだし気楽に考えてくれよな?」
「はぁ・・・じゃあ…弥生先輩って呼びます」
「分かった。敬語も気にしなくていいから」
「慣れたら考えます…
あ、先輩も俺のこと名前で良いですよ。その方が俺も助かります」
「そうか?じゃあ、蒼樹…だな」


ざわっ


「「ん?」」
東雲先輩が俺の名を読んだら、クラスが騒がしくなった気がした。
それに俺と東雲先輩が首を傾げたら、
「あー・・・気にしなくていいんじゃない?それより!」
琴音が別の話題を振ってきた。



後から聞いた話。
俺の名前を呼び捨てにしてはいけない、などというお触書が校内に出回っていたらしい。
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