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□新世界の。
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いつも1人だった気がする。
物心がつく前には目の前でもう人が常に死んでいた。
1人の世界しか知らなかった。
親の名前も知らない。育ててくれた人も知らない。ただもう気づいたときにはこの世界に居た。自分で望んだわけではない、ただ息をするように、人を殺すことを覚えて生きてきた、ただそれだけの人生だった。
俺に名前は無かった。
だから、俺を見たその瞳に酷く残るように、お前を俺のものにしたいと思った。名前のない感情。知ることのない世界。ただそこにあるだけの奴ら。お前らは殺される側の人間なのに。
何度も何度も何度も。
これから先も殺すだけだ。
 

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