Novels No1

□Soul Love
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何で俺はあんな奴を好きになったんだ?確かに外見は何人もの女が束になったってかないっこないぐらい綺麗な顔だけどよ、それ以外は最悪じゃねーか?無表情だし性格なんざマジ悪いし、短気だし、すぐ銃ぶっぱなすし・・。
俺がいくら好きだの、愛してるだの言ったところでそれに対しての返事だって返ってこやしねぇ。
本当にこいつは俺の事どー思ってんだ?
聞いたところでそんな返事なんざ返ってくるはずねぇーしな。
いつもどうりの三蔵・・。
あの雨の日は・・あれは夢だったのか?
そんな物思いにふけっている悟浄を首をかしげ八戒が
「悟浄?・・悟浄!!どうしました?聞いてますか?」
悟浄はハッと我に返り
「あっわりー。何だった?」
と慌てて返事を返した。
「どうしたんですか、悟浄?最近おかしいですよ。大丈夫ですか?」
と八戒が心配そうに問い掛ける。
「あー大丈夫だよ。ちょっとな…。で、何だった?」
「そうですか。すみませんがちょっと買い出しに行って来てもらえませんか?ジープが気になるんで付いててあげたいんです。」
ここの所の猛暑でジープがダウンしてしまったのだ。久々に大きな街に来たということもあり、足りない物の補充をしておかなくてはならない。なにせうちには大食いが一匹いるからだ。
「しゃーねぇな。まぁ煙草も切れちまうし、行って来るわ。」
と悟浄はチラッと三蔵を見た。その視線に気付いた三蔵は、読んでいた新聞から目を離し
「何だ…?まさか俺に付き合えってんじゃねぇだろうな…。こんな暑いなか。」
と不機嫌そうに言う。
「俺行ってもいいぜ!」
と悟空が目をキラキラと輝かせながら言う。はぁーと一つ溜め息を漏らし
「仕方ねぇな…。悟空、お前は八戒と待ってろ。」
意外な三蔵の言葉に悟浄はキョトンとしていた。
「何でだよー俺も行く!」
「お前が行くとまた下らん物に金使うだろうが!」
「悟空、今日は一緒に待ってましょう?おやつにホットケーキ焼いてあげますから!」
「マジで!わーい!じゃあ待ってる!」
本当に食い物に弱い奴だと、また一つ溜め息をつく三蔵だった。
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