Novels No1

□RHAPSODY〜3〜
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悟浄が部屋を出て行ってからどれぐらい経つだろう。
「俺だって分かんねぇよ…。」
呟き三蔵はベッドから起き上がり、煙草に火を付けた。煙を吐き出すと同時に大きく溜め息を付いた。
コンコン。
ノックと同時に扉が開き誰かが入って来た。部屋の明かりを付けていない為誰か解らない。誰かがゆっくりと三蔵に近付いて来る。
「喧嘩でもしたんですか?」
やっと顔が見れる位の距離まで来て、にこやかに問い掛ける八戒。
「何の用だ?」
三蔵は問い掛けた。
「いえ、喧嘩している様な声がしたんで。その後に悟浄が部屋を出て行ってしまったみたいですし、どうしたんですか?」
「何でも無い。お前には関係無い事だ…。」
素っ気なく返す三蔵。
「関係無くないですよ。なにせ僕にキスされた事が大した事無いなんて言われちゃいましたからね。」
にっこりと笑顔で八戒は返した。
「盗み聞きとは良い趣味してんな…。」
と三蔵は睨み付けた。「たまたまですよ。で、三蔵は僕と悟浄のどちらが好きなんですか?」
と急に八戒は何時もの笑顔は消え真剣な眼差しで三蔵を見つめる。
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