小説部屋
□闘うお姫様
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その時、ソフィアの目に映ったのは、完全にこちらに背を向けているバーサーカーの姿と…目の前に刺さったフェイトの剣。
ソフィアは咄嗟に剣を抜き、それを構え…今にもフェイトへ斧を振り下ろさんとするバーサーカーの背中目掛け、走り出す!
「うわぁぁぁあぁあぁぁぁぁッ!!!」
ドンッ!
ぱたたっ、と地面に鮮血が滴り落ちる。
同時にフェイトの顔にも赤い飛沫が飛んでいた。
フェイトの目の前には、斧を振り上げたままもがき苦しむバーサーカーと、その体に突き刺さった剣の切っ先があった。
「…グ…ガァァァ…」
「…はぁっ………はぁっ…」
バーサーカーの体に隠れ、フェイトからはその剣を握っている人物の姿は見えない。
だが、向こう側から聞こえる荒い吐息が、フェイトにそれが誰であるかということを知らせていた。
「ソ…ソフィア…?」
バーサーカーの背中に剣を突き立てていたのは…彼の幼馴染で、戦いを誰より苦手としていた筈の少女だった。