小説部屋
□ミッションコード;C
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ここは、宇宙船ディプロのブリッジ。
いつもなら指令塔であるこの区画には、この船を所持している組織、クォークのリーダーであるマリアをはじめとした面々がいるのだが…今日は閑散としており、静かな空気に包まれている。
…ただ一人、右手に蠅叩きを、左手にキンチョール(水性)を持ったクリフがいることを除けば。
「畜生、どうして俺がこんなことを…」
事の始まりは朝、クリフがブリッジに入ったことからだった。
プシュー、と空気の抜けるような音を立ててドアが開くと、クリフの視界には蠅叩きを持ったリーベルと、キンチョールを持っておろおろしているマリエッタが映った。
「…何やってんだあいつら?」
クリフが近づいていくと二人はそれに気付いたようで、クリフの方へ振り向いた。
「あ、クリフさん!
おはようございます!」
リーベルは元気に挨拶をしたが、その顔には少々疲労の色が見える。
「お前ら、何してんだ?
随分疲れてるみてぇだが…」
「あの、それが…
出たんです。アレが。」
「…アレ?」
マリエッタの口から出た謎の単語に、クリフは首をひねった。