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□つんっとした貴女と
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「あら名前ちゃん。それ、新しく買った服?」


花壇の花に水をやっていたら、背後から聞き慣れた声。

振り返ると、この村に住むレベッカちゃんが私…というより新しく買った私の服を見つめていた。


「うん、昨日買ったばっかり」

私が着ているのは、ちょっぴりファンシーな可愛らしい服。

普段は動きやすいラフな服ばかり着てるけれど、私だって女の子。
たまにはこういうテイストの服が着たいのだ。


「似合ってるかな?」
「…少し子どもっぽいわ」

そう言って、レベッカちゃんはつんとした態度。
……そういえば、最初は彼女のこんな態度が苦手だったなあと思う。

しかし、この村での付き合いも長くなってきて。
だんだんと貴女のこと分かってきたから。

少し意地悪なこんな言葉の次にどんな言葉が来るかもわかってる。


「…子どもっぽいけど。そういう可愛い服、貴女には似合ってるんじゃない?」

そう言って、優しい笑顔。


「ありがとう、レベッカちゃん」
「ふふ、どういたしまして。つんっ」

フワリ、尻尾を揺らして去っていくレベッカちゃん。


ああ、そんな貴女に私はもう虜。





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