緋弾のアリア最高の相棒 ―THE BEST PARTNER―

□第11弾
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「理子!説明任せたぞ!」


「うん!」

パラグライダーからオレは飛び降り、理子がキンジとアリアを抱えて空へ飛び立つのを横目にオレはレイジングブルを取り出すとブラドが現れるのを一瞬、待つ。

この際腕のヒビや骨折なんて知ったことか!メッチャ痛いけど!


「ああん?桂木ぃ死んでなかったのか?」

現れたブラドは鉄棒をとんとんと手で叩きながら言った。


「生憎だなブラド。オレがあの程度で死ぬと思ったか?」


「ほぅ」

ブラドは黄金の目を少し細めると空中にいる理子達に目を向ける。


「何か作戦を立てたようだが無駄だ無駄だ。まぁ、万が一もあるからなぁ桂木、テメェは殺しておくか」

ブンとブラドが鉄棒を振りかぶった瞬間、オレはにやりとしてレイジングブルをブラドに向けて一発放つ。


「どこ撃って……うお!」

再び、ブラドの後方で爆発が起こる。

跳弾射撃


「どうした吸血鬼……」

走りながら再び一発撃つと今度はブラドの頭に跳弾は命中した。

紅蓮の炎の中から左上半身がぶっ飛んだブラドが見えたがすぐに再生される。

武偵は決して人を殺してはならない。

そんな決まりがなけりゃ、とっくに決めてるんだがな……


「雑種が……ぐっ」

再びブラドの下半身が消し飛ぶ。

容量が大きいためか多少の再生時間は必要なようで時間稼ぎにはなる。

最後にインビジビレでブラドに弾丸を叩き込むがこれは武偵弾でなく通常弾だ。

武偵弾は弾切れ……ハハ、500万ぐらいこの戦闘で使ったな。ブラドがにやりとして鉄棒を拾う。


「小僧。武偵弾は弾切れかぁ?処刑の時間だ」

再びブラドが息を吸い込む。

ワラキアの魔笛でオレの集中力を欠く気か。

でも残念ながらコレは暗示じゃないんだな。
だからそんなもん効かねぇんだよ。

疾風のようにブラドに走り、切り札を組み上げる。

ジャキジャキジャキッと30cmぐらいの棒を5本、それに師匠に貰った短刀を連結して槍のように組み上げる。

そして腰にある刀を抜き一槍一刀の構えをとる。

オレはブラドに向かって一気に詰め寄った。

そしてズンと体重と技をこめた槍がブラドの右手を切り落とす。地面に着地すると回転しながらブラドの足を切り飛ばす。

再生する暇は与えねえ

ぐちゃっとブラドの頭に槍を刺し込むと一切顔を変えずに真っ二つに切り裂く。

手足を切断すればブラドは攻撃できない。

このまま、押し倒す!

「なめるなガキが!」

一瞬、再生が早かった右手でブラドが鉄棒を振るってくる。

しゃがんで躱したオレは後ろにトントンと後退しながら建物の影に隠れる。

準備は整ったな。


「シュウあんた!」

あきれたようにアリアがオレを見て言ってくる。


「あの時は刀で今度は槍?あんたって……何でも使えるの?」

隠されたことが気に入らないのかアリアは怒りぎみだ。


「仕方ないだろ?これがオレの基本的な戦闘スタイルだからな、それに武偵そんなむやみに本気は出さないものさ」


「シュウ、次の模擬戦は本気で戦いなさいよ。手を抜いたら許さないんだから!」

ああ、初めて戦った時のこと言ってるのな……

それはそうと


「みんな、理子から作戦は聞いたな?」


「ああ、だがシュウ、ブラドは俺たちがどこに、弱点があるか気づいていることに気がついてるかもしれない。チャンスは一度しかないぞ」

キンジの言う通り、弾数から四点同時攻撃は一回のみ


「任せとけよ。そこはオレがなんとかするよ」


「ガキども!作戦会議はすんだか?」

背後からブラドが現れる。

一槍一刀を構えてオレは振り返った。


「行くぞみんな!」


「オッケー」

理子は胸の谷間から小型の銃デリンジャーを取り出す


「いいわ」


「ああ」

アリアとキンジもスタンバイ完了だ。

オレが走り出す。

ブラドが鉄棒を振りかぶるがそれを去なして一気に加速し、刀でブラドの右肘までを切り飛ばした。

だが、これでは、すぐに再生されてしまう。

再生する場所、肘の関節部分に刀を置くと再生に刀が巻き込まれる。

異物が入ったことにより、ブラドの肘から下がだらりと下がる。

さらに、その右肘を踏んでオレはブラドの顎を蹴飛ばした。


「ぐお!」

ブラドが悲鳴をあげた瞬間だった。

雷鳴が夜空に轟いた瞬間、四発の銃声が響く。

地面に落ちながら見たのはブラドの舌に描かれた目玉模様に理子の銃弾が命中し、肩にアリアの一発、脇腹にキンジの一発が命中した。

だが……嘘だろ……

雷で照準がずれたのだろうか……アリアの一発が最期の目玉模様から外れた。

ブラドの目が歓喜にうち震えた目で呆然とするオレに向か再生された右手を鞭のように振るった。

完全に油断したオレだが、なんとか槍で防御態勢は作るがバンッと冗談のような張り手で吹き飛ばされコンクリートの壁に背中から叩きつけれた。


「が……は」

肺から息がもれ、受け身もとれずに地面に落ちる。

視界が……赤く染まってる……

立たないと……

だが、体に力が……


「シュウ!」

理子が駆け寄ってくる。

ば、馬鹿……逃げろ……この攻撃に失敗したら銃弾を失ったオレ達に勝目は……


「どうだぁ?4世?お仲間と共闘しても所詮、勝目なんかないんだ」


「ブ、ブラド……」

震える手で理子はオレの刀を掴んだ。

ズンズンとブラドが歩いてくる。

目が笑っている。


「私は!理子だ!4世じゃない!」

ハイジャックの時に見せたような素早い斬撃だったがブラドは切られた部分を再生させ、理子を掴み上げてしまう。


「う……」

ブラドは顔に理子を近づけると嬉しそうに


「よかったな4世最後に解放されるかもしれない夢を見られてよ」


「理子!」

アリアが小太刀を抜いてブラドに突撃をかける。

キンジもアリアの小太刀を片方借りて、ブラドに攻撃をしかけようとしている。


「そういや、お前も優秀な遺伝子の持ち主だよなぁホームズ」

ザクリとブラドの右手に小太刀を突き刺し、理子を解放させようとアリアは試みるが再び、雷鳴が空を鳴らした瞬間、アリアの動きが鈍った。


「ほーら、捕まえたぜホームズ」

まるで、疾風のようにブラドの空いた手が伸びアリアを捕まえてしまう。


「アリア!理子!」

キンジが切りかかるより早く、ブラドが吠えた。

ビャアアアアアアアヴァイイイイイイイ!

衝撃波でキンジが吹き飛ばされ、地面に転がる。

気絶したのか……


「は、離しなさいよ!」

アリアがブラドの手の中で暴れるがびくともしない。

理子も同様だった。

アリア、理子……キンジ……クソ!体が動かねえ……

まるで、精神と体が分離してしまったようだ。

ブラドが背中から翼のようなもの……いや、コウモリのような羽を出した。


「さぁ、ホームズ、4世、ルーマニアに招待するぜ」


「お、お断りよ!」

アリアが拒絶するが逃げることができない。


「っとその前に」

ブラドは倒れて動かないオレの方にゆっくり歩いてくる。


「ほっときゃ死ぬだろうが桂木、お前は、ふざけたことをし過ぎたからな。殺しとくぜ」

アリアと理子を掴んだまま、ブラドが足を上げた。

オレの頭を踏み潰す気か


「シュウ!起きて!はやく!」

焦ったようにアリアが言うが体が……


「い、いやシュウ!」

理子の声も聞こえる……ああ、結局オレは君を……

ズンとブラドの足は地面に振り落ろされた。


「「シュウ!」」

二人の少女の悲鳴が夜空にこだまする。そして……


「シュウ兄は殺させないよ」

ごっと、風を切り現れた少女はブラドの足の裏に剣を叩きつけた。

ブラドが後退していくのを見ながら少女はオレに向かいにこりと微笑むと


「助けに来たよ」

と、とんでもないことをいい放ったその少女はジルちゃんだった。










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